- 税金未納による差し押さえが起きる場合はどんなとき?
- 差し押さえは家族にも影響がある?
- 税金未納による差し押さえを解除するには?
納税は、国民の義務と入れていますが税金未納問題は話題に尽きません。
また、場合によっては差し押さえなども起こり得るので深刻です。
しかし、万が一差し押さえになった場合、自分や家族にはどのような影響があるのでしょうか。
今回は、差し押さえによる影響や解除の方法についてご紹介したいと思います。
税金未納による差し押さえが起きる場合はどんなとき?

私達国民には、3つの義務があります。
- 納税の義務
- 勤労の義務
- 教育の義務
この3つが日本国民の3大義務とされ、憲法30条に「国民は法律の定めるところにより納税の義務を負ふ」と定められているのです。
納税の義務とは?
このように、個人・法人ともに税金は納める義務があり、定められた期限に納めなかった場合は”滞納者”となってしまうことになります。
給与所得者の場合は、所得税や住民税が給料からあらかじめ天引きされるため、滞納することはあまりありません。
また、給与所得者であっても確定申告が必要なケースもあります。
- 給与以外の収入が年間で20万円以上ある
- 年間110万円以上の贈与を受けた
一方で、個人事業主は、確定申告により納税をしなくてはなりません。
その他の対象
また、税金以外にも以下を滞納しても差し押さえの対象となってしまいます。
- 国民健康保険料
- 国民年金
- 固定資産税
このように様々な納税義務があり、それが滞ってしまうと差し押さえの対象となるのです。
差し押さえは家族にも影響がある?

では、差し押さえとはどのようなながれでしょうか。
差し押さえまでのながれ
まず、滞納したからすぐに差し押さえになるわけではなく、いくつかの段階があります。
- 税金の滞納
- 督促状による催告
- 電話や文書等による催告
- 財産調査
- 差し押さえ・捜査
- 登記や通知など
税金の滞納
まず、それぞれの納期限を1日でも過ぎた場合は滞納となります。
この納期限は、税の種類や自治体によりそれぞれ異なりますが、納税通知書(コンビニなどで支払える用紙)がある場合は、それに納期限が記載されています。
督促状による催告
納期限を過ぎると、20日以内に督促状が送られます。
法律上は、督促状を発送した日から10日を過ぎる、つまり、納期限から30日が経つと、『財産を差し押えることができる』とされています。
電話や文書等による催告
基本的には、督促状が封書で送付されます。
それでも、納付がない場合電話や文書または訪問による催告をされる事となります。
財産調査
滞納者についての身辺調査や、差し押さえのための財産調査などが行われます。
- 給料
- 不動産謄本の入手
- 自動車の有無
- 銀行口座(取引内容も調査)
- 生命保険(解約返戻金など)
- 売掛債権
また、同時に身辺調査もはいります。
- 勤務先や取引先の調査
- 所得の調査
- 家族構成
- 戸籍の調査(戸籍附票で、引っ越し履歴も調査されます)
このように、財産調査は差し押さえをする言わば準備段階と言えますね。
差し押さえ・捜査
財産調査を基に、差し押さえることのできる財産が決められ差し押さえが実行れます。
また、不動産などの場合は自宅や事務所を捜査して差し押さえられる事もあり、家族などにも迷惑をかけてしまいますね。
さらに、滞納者が第三者に対して持っている債権などが差し押さえられることもあるでしょう。
登記や通知など
続いて、不動産の差し押さえを受けた場合、差押登記となり抵当権者には『差押通知書』が送付されます。
- 給与:職場
- 預金:金融機関
このように、差押通知書が送付される事となり、差し押さえされた事を勤務先にも知られる恐れは十分にあるのです。
差し押さえできないもの

一方で、差し押さえができないとされているものもあります。
- 衣服
- 寝具、家具
- 台所用具
- 畳及び建具
- 最低限の3ヶ月間の食料
- 収入を得るための道具
- 実印
このように、最低限の生活に必要なものや、収入の基盤となる物は対象外となっています。
家族への影響はどのくらい?
では、滞納者の家族への影響はどのくらいあるのでしょうか。
基本的には、滞納しているのはあくま本人なのでたとえ家族であっても差し押さえの対象にはならないとされているのです。
しかし、共同名義の財産なかおいては差し押さえられる場合があるので注意しましょう。
また、世帯主である夫の妻が何らかのかたちで滞納者となった場合、一時的に世帯主である夫の口座が差し押さえになったというケースもあるようです。
税金未納による差し押さえを解除するには?

では、どうすれば差し押さえを解除できるのでしょうか。
自分で解除できる?
住民税などの滞納であれば、役所に連絡し滞納金を一括、または分割で支払う手続きを行うことができます。
- 税務課
- 滞納整理課
- 特別滞納整理室
- 徴収担当
このような窓口で、税金滞納者の相談を受け付けています。
そこで、滞納理由や生活状況のヒアリングや財産調査の結果の照らし合わせを行い、どうなるか決まると言ったかたちです。
また、基本的に差押の解除を行うには、原則として差押の対象となった滞納税金を”完納”することが前提です。
さらに、不動産や動産の差し押さえであれば、公売・換価・配当まで時間があります。
その間に現金等で滞納税金を完納することができれば解除されます。
自己破産で解決は無理
一方で、住宅ローンや固定資産税等の税金の滞納額が膨れ上がり、自己破産を検討する人もいます。
滞納による延滞税は、2ヶ月以上滞納すると約9%もの延滞税が課せられ、住宅ローンの金利は多くみても3%ほどですので非常に高い税率と言えるのです。
しかし、自己破産で債務がなくなっても、税金の納付義務は免れることはできないのです。
だからこそ早期の役所への相談が重要であり、分納等の相談をし誠意を持って対応する必要があるのです。
弁護士に相談
一方、もし金融機関からの借金などが理由で税金滞納となっている場合は、債務整理をして税金滞納を解消しなければなりません。
このような場合の差し押さえであれば、素人では到底解除できませんので、弁護士などその道に詳しい専門家に相談することをおすすめします。
債務整理とは、借金を減額したり支払いに猶予を持たせたりすることで、借金のある生活から解放されるための手続。
専門知識が必要で、弁護士などを通し行う
この債務整理のなかに”個人再生”という手続きがあります。
個人民事再生とは、現在の借金が返済困難であることを裁判所に認めてもらい,減額された借金を3年~5年かけて分割で返済していく手続のこと
このように、個人事業主やサラリーマンなど、個人債務者を対象とする制度で、自己破産することなく債務を整理することができます。
こうして、返済計画を示すことで差し押さえを解除する事にも繋がりますので、まずは専門家に相談する事をおすすめします。
さいごに
いかがでしたか。今回は、税金未納による差し押さえの実態や、家族などへの影響についてご紹介しました。
このように、あってはいけない事ですがいつ自分が滞納者として差し押さえに合わないとは言い切れない程、身近な事であることもわかりましたね。
だからこそ、万が一差し押さえにあったり、差し押さえになりそうな心当たりがある人は、早めの解決をおすすめします。
特に、差し押さえ解除などは専門知識も必要なので弁護士などに相談すると早いかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください。