• 個人再生を手続きすると借金が減るって本当?
  • 個人再生は不認可になることもある?
  • 再生計画案が認められないケースとは?

借金に悩み続けている方の中には、債務整理などの方法を検討するのではないでしょうか。

個人再生をすると最大10分の1にまで借金が減額されるから、個人再生の道を選択する方も少なくありません。

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個人再生では計画再生案で不認可となってしまうケースが多いのです。

個人再生が不認可となってしまうのはどんな事由があるのでしょうか。

 

個人再生を検討している方が気になるポイントですよね。

 

個人再生が不認可になってしまう条件や不認可にならないためにはどのようにすべきかをお伝えしていきます。

個人再生とは?誰でも受けられる?

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個人再生をしたら借金が大幅に減ると思っていませんか?

確かに個人再生では借金が減額されます。お家も守ることができます。

 

しかし、個人再生を申し立てからといっても、必ずしも借金の減額が受けられるとは限らないのです。

 

まず、個人再生がどのようなものであるかを見てみましょう。

個人再生とは

個人再生とは債務整理であり、任意生理と比べて、最終的に裁判所の認可がおりれば借金の減額ができるもの。

 

個人再生を手続きする人数

裁判所の民事・行政事件数による過去の小規模個人再生手続き受件数を調べてみました。

2004年の新受件数

  • 小規模個人再生:19,552件
  • 給与所得等再生:6,794件

 

2014年の新受件数

  • 小規模個人再生:6982件
  • 給与所得者等再生:686件
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2004年に比べて2014年はかなり件数が減っていますね。

手続きは時間がかかり複雑なのですが、減額可能な借金の割合、減額可能な確率の高さで個人再生を選択する方も多いのです。

 

しかしながら、再生計画案が不認可になり、借金の減額が認められない(裁判所から認められない)ケースもあります。

 

再生計画案とは

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再生計画案とはどのようなものなのでしょうか。

再生計画案
  • 借金を減額することを前提にその減額された借金を返済していくための計画

 

個人再生の終盤で、債務者が再生計画案を裁判所に提出します。

 

裁判所は再生計画案を認可するか、不認可とするかを判断するのですが、認めてもらうことができたら再生計画の内容が有効となります。

 

借金が減額されて、その後は減額された借金を返済していくということ。

 

再生計画の認可決定は、個人再生手続きでの最終目標ですね。

 

再生計画が認められなかった場合は、借金の減額はされずにそのままになります。再生計画の不認可。

 

個人再生は失敗となって終わるということです。

 

個人再生が不認可になった場合

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個人再生で再生計画案が不認可になるとどうなるのでしょうか。

申し立てから不認可になるまでの間、弁護士や裁判所が間に入ります。その間、債権者からの督促状、連絡は止まります。

 

不認可となれば、もちろん借金が減額されないことが決まり、裁判所の手続きも終了。

 

その後、弁護士の方のサポートが無くなってしまうと、多くの債権者から郵便や電話で督促が来て、窮地に追い込まれてしまうということになりかねません。

 

差し押さえなどを避けるためにも個人再生をするなら、不認可になることを確実に避けるべきと言えます。

個人再生が不認可となる条件

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早速、個人再生が不認可になる場合の条件を見ていきましょう。

再生計画案など提出書類の不備、期限遅れ

裁判所への提出書類の不備、指定された提出期限に対する遅延が原因。

個人再生は、裁判所を介した手続きですが、個人再生を申請するにあたって、裁判所側が指定した書類、再生計画案など提出する必要があります。

 

このような裁判所へ提出する書類の記入漏れ、不備、提出期限を守れていない・・・ということが挙げられます。

 

裁判所への提出書類は、記入漏れ、不備に対するチェックが厳しいものです。

 

指定された提出日を守れなかったという方も少なくありません。

 

再生計画の返済総額が最低弁済額を満たしていない

再生計画案で記載する返済総額が最低弁済額を満たしていないことが原因。

再生計画案を作成する際に、個人再生を通して借金を減額した後に返済する借金の残高を記載しなければなりません。

 

個人再生には、小規模個人再生と給与所得等再生の2つの手続きがあります。

 

どちらかの手続きを選ぶかで再生計画案に記載する返済総額の下限額が異なります。

 

小規模個人再生

返済総額を決めるにあたって、最低弁済額という基準が設けられています。

 

再生計画案に記載する返済総額が最低弁済額を満たしていないという場合は不認可となります。

 

最低弁済額の基準

  • 下限額が100万円以上、かつ借金総額の10%以上と決められている。

借金の総額によって各取り決めは異なります。

 

給与所得再生の返済金額

給与所得再生の場合は、可処分所得の2年分以上、または最低弁済額、清算価値基準のいずれか高額な方を下限に、返済総額を決定しなければなりません。

 

可処分所得=収入-(税金+社会保険料+必要最低限の生活費)

給与所得等再生は小規模個人再生と比べて返済総額は高額です。

 

減額の割合が少なくなります。

 

借金総額5000万を超えている

個人再生の申請の適用では、借金の総額の上限金額が定められています。

 

個人再生が適用可能な借金上限金額:5000万円まで

借金の総額が5000万円を超えた場合、申請時の段階で手続き自体を認めてもらうことができません。

 

5000万円を超えている場合は、借金を減らしてから手続きを行うか、自己破産を行うということを検討すると良いでしょう。

 

再生計画の実行が難しいと判断されるケース

申請者が個人再生適用後に再生計画案に従って、借金を返済することが難しいと判断される場合。

申請者の収入面の安定、返済テストを通して厳しくチェックされることを心得ておかなければなりません。

 

特に借金の減額の割合が少ない給与所得等再生においてはチェックが厳しいです。

 

安定した収入が保証されていないと自営業などは給与所得等再生の手続きを受けることができないでしょう。

 

再生計画が実行できるかどうかの判断は、個人再生で減額された借金の返済を期間内にできる収入が確保されているかどうかが判断の基準になります。

※再生期間は3年と定められている。(事情があった場合に限り最大5年)

 

再生計画案での不正行為

個人再生において不正行為が発覚した場合、裁判所から問答無用で不認可になります。

財産を隠すなど弁済額を減らす行為ですね。

 

資産価値のある財産を保有している場合、最低弁済額は高額になる可能性があります。

 

ですから、最低弁済額を安く抑えようとするため、手持ちの財産をごまかした結果、裁判所から隠蔽行為が発覚、不認可となるケースがあります。

 

債権者の過半数が再生計画案を反対

債権者の過半数が再生計画案に反対すること。

個人再生の不認可で最も多いケースです。

 

給与所得等再生では、債権者の意向は問われませんが、小規模個人再生では減額の割合も高いので債権者の意向も問われるのです。

 

特定の債権者のみ返済した場合

個人再生の手続き開始後は、特定の債権者にだけ返済することは禁じられている。

返済を行った場合、清算価値に計上されます。

 

個人再生は裁判所を介して行う手続きなので、個人再生を申請した全ての債務者を平等に扱う義務があるのです。

 

個人再生の手続き完了まで、勝手な返済行為を行うことはできません。

 

まとめ

債務整理の1つである「個人再生」は、借金の減額を最大10分の1まで受けることができるものです。

しかし、その手続きはかなり時間がかかり、複雑なものになります。そして、裁判所のチェックは厳しいものとなっていることから再生計画案が不認可となるケースも少なくないのです。

借金が減額されることは、借金に悩み続けている方にとってとても魅力的な手段ですよね。

 

しかし、そう甘くはないということを心得ておかなければなりません。

 

個人再生を検討されている方は、再生計画が不認可とならないようしっかりと対策しておきましょう。