- 借金を借金で返す生活
- 自転車操業の末に起こること
- 抜け出す方法は?
借金を払うために、また借金をする悪循環になってしまうと、その先には破綻しかありません。
そうなる前に、何をすべきかお伝えしていきます。
借金を借金で返す生活

借金を借金で返すことを自転車操業などと言います。
「自転車は一度こぎ始めたら、こぎ続けないと倒れる」といった意味合いで使われています。
「いつまでこいでも終わりが来ない=いつまでも払い続ける」そんな地獄のような日々です。
しかし、必ず倒れる時がやってきます。
それは次のような場合になります。
- 借入上限に達したとき
- 総量規制の限度額
借入上限に達したとき
消費者金融やカードローンでは、上限の金額が決められています。
借入限度額などとも言いますが、融資申込み時に収入などに見合った金額を設定されます。
その審査の際に重視されるのは、次のような項目です。
- 年収
- 職業(勤務形態、勤続年数)
- 家族構成
- 居住環境(賃貸or持家・居住年数)
- 他社からの借入
- 個人信用情報機関の情報
当然ですが、審査によって決められた限度額に達すると、それ以上は借入することができなくなります。
総量規制の限度額
総量規制とは、2010年に貸金業法で制定されたもので、「貸金業者は年収の3分の1を超えて貸付けてはならない」というものです。
総量規制が制定された背景には、年々増加している多重債務者の存在がありました。
住宅ローンやカーローンなどの、いわゆる銀行系のローンは含みませんが、消費者金融などからの借り入れは、年収の3分の1までと決められてしまいました。
このような上限に達してしまうと、そこで返済はストップしてしまいます。
自転車操業の末に起こること

返済が滞ってしまうと、借入していた消費者金融などから催促の電話が入るようになります。
それも無視していると、郵送での催促状が届くでしょう。
場合によっては、自宅まで訪ねてくることもあります。
貸金業者によっても違いはありますが、3ヶ月を過ぎた頃には、個人信用情報機関に事故情報が記載されてしまい、裁判所に支払い催促の申立てをされる事もあります。
貸金業者にしたら何としても回収したいのが本音です。
支払い催促とは?
支払い催促とは、金銭の支払い又は有価証券若しくは代替物の引渡しを求める場合に限り、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所の書記官へ申立てします。
簡易的な手続きのため、①書類審査のみであること、②手数料は訴訟の半額であることが挙げられます。
裁判所から支払い催促の書類が届くと、2週間以内に異議申し立てをする必要があります。
それも放置してしまうと、裁判所は仮執行宣言を付すことになります。
それによって、貸金業者は強制執行が出来る訳です。
聞き慣れない言葉ばかりで難しいと思いますが、簡単に言えば最終的に給料などを差し押さえられてしまうという事です。
給料は税金などを差し引いた残金の3分の1までとしています。
(差押禁止債権)第152条
次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
- 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
- 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない。
3 債権者が前条第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前二項の規定の適用については、前二項中「四分の三」とあるのは、「二分の一」とする。
引用:民法
では、支払い催促の書類が届いたら、どのような書類を提出したらよいのでしょうか?
支払督促異議申立書
裁判所からの支払い催促状と一緒に、支払督促異議申立書というものが同封されています。
通常は記載例を書いたひな形も同封されていますが、氏名・住所・連絡先・理由を記入するようになっています。
1つは「支払い催促に不満があるため意義申立します。」ということ。
もう1つは、具体的な和解に向けての要望を記入しましょう。
例えば、「さしたる預貯金もないため、分割払いでお願いしたい」「現在の給料は手取りで18万円のため、生活費を差し引くと毎月2万円の支払いが限度です」など、具体的な要望を記入します。
当然に、相手の金融会社が了承してくれるとは限りません。
不誠実な態度をとってきたのだから、和解など考えていないと突っぱねるかもしれません。
この支払督促異議申立書を提出することで、訴訟に移行します。
訴訟になったところで、債務者に非があるのですから、勝ち目はないでしょう。
強制執行か訴訟か、どちらにしても不利な状況であることに変わりはありません。
抜け出す方法は?

強制執行か訴訟になったら、抜け出す打開策として法律の専門家に相談する方法があります。
結局のところ、法律に詳しくない素人では裁判所から届いた書類に右往左往するだけでしょう。
借金を借金で返す自転車操業であれば、同じような支払い催促が何社からも届く可能性があります。
その対応だけでも、どうしたらいいのか分からなくなります。
もし完全に無視していれば、金融会社は仮執行宣言を付され、強制執行の手続きをするでしょう。
給料などを差し押さえされる可能性が高くなり、当然勤務先に借金のことがバレて、最悪解雇になる場合もあります。
解雇にならなくても、勤務先にいづらくなるのは言うまでもありません。
専門家に相談する!
弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談するのが一番良い方法でしょう。
自転車操業には限りがあります。
借金を借金で返す生活をやめたいと思ったら、早めに専門家に相談することをお勧めします。
一番ベストな債務整理の方法を提案してくれるでしょう。
強制執行などの事態になる前に相談すれば、勤務先にも知られずに済みます。
今の生活を抜け出すには、1人で悩まず早期に債務整理をすることが望ましいと言えます。
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