• 自己破産して結婚すると、どんなリスクがある?
  • 自己破産したら結婚相手にバレちゃうの?

自己破産すると、さまざまなメリットやデメリットがありますが、結婚しようと考えたときリスクはあるのでしょうか?

また、結婚相手にも知られてしまうか、気になるところですね。

自己破産と結婚について、気になる疑問についてもまとめてみました。

 

自己破産して結婚すると、どんなリスクがある?

 

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自己破産とは、裁判所に申し立てをして、すべての債務(借金)を免責してもらう手続きのことです。

 

自己破産になってしまった理由にはさまざまなものがあると思います。

 

自己破産された方が結婚を考えたとき、「自己破産した自分でも結婚できるのか?」「結婚相手にバレてしまわないか」、また「自己破産したことを正直に話をした方がいいのか」など、不安になったり悩んだりすることもあるでしょう。

 

結婚後のリスクについてお話する前に、そのリスクとも関係もある、自己破産のメリットとデメリットについてお話していこうと思います。

 

自己破産のメリットとデメリットとは?

自己破産することを決めたのは、とても大きな決断だったことでしょう。

 

自己破産をすると、メリットだけでなく、デメリットもいくつかあります。

 

自己破産をされた方は、メリット・デメリットを知った上で決断されたと思いますが、ご存知ない方のためにも、どのようなものがあるのか見ていくことにしましょう。

 

自己破産のメリットとは
  • すべての債務(借金)免除してもらえる
  • 手続き開始後、債権者は強制執行ができなくなる(給料の差し押さえなど)
  • すべての財産が没収されるわけではなく、ある程度の財産は残すことができる

自己破産は、裁判所に『破産申立書』を提出し、支払いが不可能であると判断されると、免責許可が下りてすべての借金が免除されます。

 

収入や資産、債務者の負債の金額などから総合的に見たうえで、支払い不能であるかどうか判断されます。

 

また、持っている財産はお金に換えて、債権者に配当されることになりますが、20万円以下の預貯金などは手元に残すことができるので、持っているすべての財産を手放すことになるわけではありません。

 

では、つぎに自己破産のデメリットについて見ていくことにしましょう。

 

自己破産のデメリットとは
  • 5~10年は、信用情報機関(ブラックリスト)に登録されるため、借入ができなくなる
  • 『官報』(国が発行する機関誌)に住所氏名が掲載される
  • 免責決定を受けるまでは、警備員や士業など一部就くことのできない職業がある

ブラックリストに登録されてしまうと、新たに借入やローンを組むことができません。

 

また、クレジットカードを作ることもできません。

 

このデメリットについては、結婚後のリスクと関係してきますので、これについてはあとで詳しくお話していきます。

 

また、官報については、一般人には見ることはできませんので、それほど心配することはないでしょう。

 

就くことのできない職業とは?

自己破産の手続きをしている間、免責決定があるまでは、一部の職業に就くことができません。

 

どのような職業があるのか、挙げてみることにしましょう。

 

自己破産の免責決定まで就けない職業とは
  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 司法書士
  • 証券会社の外交員
  • 貸金業者
  • 警備員
  • 質屋
  • 損害保険代理店
  • 生命保険募集員
  • 宅地建物取引業者
  • 旅行業者
  • 公安委員会委員
  • 公正取引委員会委員
  • 商品取引所会員
  • 信用金庫等の会員
  • 役員
  • 一般労働派遣事業者とその役員
  • 日本銀行の役員

などの職業があります。

 

また、免責決定があるまでは、次のような役割につくこともできなくなります。

 

免責決定までできない役割とは
  • 代理人
  • 後見人
  • 後見監督人
  • 保佐人
  • 補助人
  • 遺言執行者

免責決定があるまでの期間とはいえ、結婚を考えている相手が仕事をしていないとなると、少し不安に感じてしまうことでしょう。

 

免責決定は長くかかったとしても半年ほどになります。

 

自己破産を内緒にしているのであれば、その間はなにか言い訳を考えたり、うまく対処しなければなりませんね。

 

自己破産のデメリットと大きく関係のある、結婚後のリスク

自己破産をしても、結婚することはできます。

 

ですが、自己破産すると、さまざまな制限や制約があるために、ある程度のリスクを負わなければいけないことがあります。

 

自己破産をした後は、結婚するしないに関係なく言えることですが、つぎのようなリスクがあります。

 

自己破産後のリスクとは
  • ローンの審査に通らない
  • クレジットカードを作ることができない
  • 新たな借入ができない

自己破産のデメリットでもあったように、信用情報機関に登録されてしまいます。

 

ですから、ローンやクレジットカードの作成には影響が出てしまいます。

 

ローンの審査に通らない

住宅ローンや車のローンなどを申し込んだとき、信用情報機関の情報で照会されて審査に使われます。

 

絶対にローンが組めないと言い切れるものではないのですが、信用情報機関に登録されている間は、ローンを組むことはできないと考えた方がいいでしょう。

 

車を購入することはできないの?

ローンを組むことは難しいとはわかっていても、子供が生まれたなどして車が欲しいと思うこともあると思います。

 

では、自己破産したら車の購入はできないのでしょうか?

 

自己破産後、車の購入(保有)するためには
  • 自己破産後、10年経過してからローンを組む
  • 自己破産者でない、配偶者などが自動車ローンを組む
  • 自社ローンを組む
  • 現金で購入する

このような方法でしたら、車を持つこともできると思います。

 

自己破産された方の名義でローンを組む場合には、信用情報機関に登録されているのは最長でも10年ですので、それ以降に自動車ローンを組む。

 

また、中古車販売店が独自に設定しているローンであれば、過去の信用情報とは関係なく借りられる可能性があります。

 

そういった自社ローンを組むか、もしくは現金で購入するかですね。

 

あとは、配偶者など自己破産された方以外でローンを組むという方法もあります。

 

クレジットカードが作れない

結婚して新しい生活を送ろうとしたときに、例えば家賃や生活費のために、カード決済を考えることもあるかもしれませんよね。

 

そんなときに新しくクレジットカードを作ろうと思っても、先ほどのローンのときと同じように、信用情報を照会されてしまうため、カードを作ることが難しくなってしまうでしょう。

 

新たな借入ができない

生活をしていくうえで、急な出費が必要となったときなど新たな借入を考えることもあるかもしれません。

 

ですが、ローンやクレジットカードのときと同じように、信用情報で照会されてしまうために、新たな借入ができないということも。

 

自己破産したら財産が処分されてしまう

上記でお話したこと以外にも、考えられるリスクがあります。

 

自己破産をすると、20万円以上の財産は処分されてしまいます。

 

また、破産の手続きを行った後に残せる財産は、あらかじめ決められています。

 

自己破産しても残せる財産(自由財産)とは
  • 99万円未満の現金
  • 残高が20万円以下の預貯金
  • 20万円以下(見込み額)の生命保険の解約返戻金
  • 自宅の敷金
  • 査定金額が20万円以下の自動車
  • 見込み額の8分の1相当金額が20万円以下の退職金
  • 見込み額8分の1相当金額が20万円を超える退職金の8分の7
  • 家財道具の差し押さえを禁止されている、不動産や債権

と、これらの自由財産以外は没収、処分となっています。

 

つまり、自己破産後に取得した財産がない場合は、貯金や資金がほとんどないといった場合もあります。

 

自己破産をした時期や結婚を考える(結婚した)時期にもよるかもしれませんが、相手にあまり貯金などがないとなると、もしかしたら将来への不安にもつながってしまう場合もあるかもしれません。

 

自己破産と結婚について気になることは。。。

自己破産をして結婚するときに、リスクやバレてしまったらどうしようと思うのはもちろん、ほかにも心配なことはあると思います。

 

警察官や銀行員との結婚や結婚後名字が変わったあとのブラックリストについて、まとめてみました。

 

警察官や銀行員との結婚はできる?

警察官や銀行員と結婚する場合、身辺調査があると聞いたことはありませんか?

 

先ほどお話したように、自己破産をすれば一定の期間にはなりますが、就くことのできない職業もありますから、結婚できるのか心配されることもあるかもしれません。

 

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ですが、警察官や銀行員との結婚は、特に心配することはありません。

 

警察官との結婚については、親族に特定の団体や前科のある人がいないかどうかの確認があります。

 

地方警察によって、どこまで確認されるか異なるということはありますが、自己破産することは犯罪ではありませんから、特に心配する必要はないといえます。

 

ただ、ご自身が自己破産をすると、職業によっては影響が出てしまう場合はあるので、その点は注意が必要ですね。

 

結婚して名字が変わったら、ブラックリストから消える?

結婚すると、男性女性、どちらかの名字が変わりますよね。

 

今の日本では、女性が姓を変えることがほとんどでしょう。

 

では、結婚して姓が変わると、登録されていた信用情報機関(ブラックリスト)はどうなるのでしょうか?

 

キャラ

結論からいいますと、名字が変わったからといってリストから消えるわけではありません。

 

結婚で姓が変わることは十分わかりきっていることですから、旧姓から情報を照会するのに多少時間がかかることがあっても、住所や生年月日など、ほかの情報から引き出すことができます。

 

結婚されたとわかれば、「旧姓を教えてください」などと確認の連絡がくることもあります。

 

名字が変わったらまた自己破産できる?

自己破産には、できる回数に制限はありませんが、前回の自己破産の免責を受けてから7年は自己破産をすることはできません。

 

では、結婚して名字が変わったら、7年経っていなくてもまた自己破産できてしまうのでしょうか?

 

キャラ

答えはNo!名字が変わっても、すぐに確認できるので7年経過しないと自己破産はできません。

 

ブラックリストの登録と同じように、名字が変わっただけで、すべての情報が新しく変わるというわけではありませんので、前回の自己破産から7年経過していない場合は、再び自己破産をすることはできません。

 

自己破産したら結婚相手にバレちゃうの?

 

自己破産をして結婚をしたら、結婚相手には知られてしまうのでしょうか?

 

結婚相手に正直に話すかどうか、悩まれるこ方も多いかもしれません。

 

結婚相手にバレないようにすることはできる

まず、結論から言えば、結婚相手に自己破産したことをバレないようにすることは可能です。

 

正確にいうと、不可能ではないといった方がいいかもしれません。

 

なぜ、不可能ではないといえるのでしょうか?

 

自己破産は、本人だけについての手続きです。

 

結婚相手や家族であっても、手続き上でなにか関与を求められることはありません。

 

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ですから、結婚相手や家族に知られることなく、自己破産を行うことも不可能ではないのです。

 

裁判所から届く文書などでバレることは?

本人が申し立てた場合、裁判所からの送達文書などは自宅に届くようになります。

 

となると、本人が不在のときに家族が在宅していて、そこに文書が届けばバレてしまうというおそれはあります。

 

自己破産が結婚相手にバレないためには

自己破産したことが結婚相手やバレないためにはどうしたらいいのでしょうか?

 

結婚相手や家族に自己破産がバレないためにできること
  • 弁護士に代理人を依頼して自己破産の手続きを行うこと
  • デビットカードを所有する

このつぎでもお話しますが、絶対にバレないとは言い切れませんが、自己破産がなるべくバレないように対処することはできます。

 

弁護士に依頼して自己破産の手続きを行う

先ほどお話したように、裁判所からの送達文書が届いたために、結婚相手や家族に自己破産したことがバレてしまったというケースもあります。

 

こうした事態を防ぐためにも、弁護士を通して自己破産の手続きをするのがよいでしょう。

 

文書の送達先は依頼した弁護士のいる事務所となるので、文書が自宅に届いて結婚相手や家族に知られるということを防ぐことができます。

 

弁護士と書類のやりとりをする場合は、弁護士本人の個人名で送ってもらうようにしてください。

 

デビットカードを所有する

自己破産をすると、クレジットカードを作ることはできません。

 

クレジットカードを持っていないのなら作ろうと、もしかしたらいわれることもあるかもしれませんよね。

 

クレジットカードとデビットカードでは、支払方法は異なります。

 

ですが、見た目はほとんど変わらないので、カードを持っているということが示せます。

 

ごまかす程度になってしまうかもしれませんが、カードということで、多少なりとも持っているとアピールはできます。

 

自己破産が絶対にバレないとは言い切れない

結婚相手や家族に自己破産したことを知られたくないと思うのは、ごく当たり前の感情だと思います。

 

ましてや、これから結婚相手となれば、話をしたことで破談になったらどうしようと不安に思うこともあるでしょう。

 

先ほどお話したように、バレないようにする方法はあります。

 

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ですが、『絶対にバレないのか?』と聞かれれば、『絶対』とは言い切れないのも事実です。

 

また、裁判所に提出する書類には、同居人の給与明細など家族の協力が必要なものもあります。

 

これは仮にですが、結婚相手やその親などが身辺調査をされた場合は、もしかしたらバレてしまうこともあるかもしれません。

 

そして、子供が生まれたりと、また家族が増えれば、車の購入を考えたり新たな借入を考えることもあるかもしれません。

 

先ほどお話したリスクからもわかるように、一定期間は、ローンを組んだりクレジットカードを作ることができないので、一緒に生活していくうちに「おかしい」と思われてしまうこともあるかもしれませんよね。

 

銀行員との結婚も心配ないとお話しましたが、どちらかが銀行に勤めていて自己破産された方の名義で勤めている銀行にローンの申し込みをすると、自己破産したことがバレてしまうこともあります。

 

自分から口外しなければ自己破産がバレる可能性は低いといえますが、絶対にバレないとは言い切れないということを頭に入れておいた方がいいでしょう。

 

結婚前に自己破産の手続きを

自己破産をすると、信用情報機関に登録されている間はローンが組めなかったり大きな買い物ができないといったこともあります。

 

ですが、借金を残したまま結婚するのと、借金をきれいに清算してから結婚するのとでは、気持ちの面でも大きな差があるはずです。

 

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借金を清算してから、新しい生活をスタートさせた方がいいですね。

 

その方が、借金で相手に負担をかけるより、ローンを組めないなどのリスクはあったとしても、経済的な負担は大幅に減らすことができますよね。

 

また、ブラックリストに登録されている期間は長くても10年です。

 

その間は不自由なこともあるかもしれませんが、リストから削除されてローンを組むことも可能になります。

 

自己破産したことを隠している場合も、自己破産したことをすべて話す勇気を持つことも大切かもしれません。

 

バレる可能性が低いといっても、いっしょに生活していくうえで、バレてしまうかもしれない可能性は少なからずあります。

 

結婚前であれば自己破産をしてから、自己破産したことを隠しているのなら正直に話すことで、相手との生活もより楽しく過ごせるのではないでしょうか。