- 闇金との連絡が取れないのは?
- 借りパクとは?
- 借りパクしたらどうなるの?
闇金から借金して、返済したいのに連絡がとれないのはどんな時でしょうか?
もし、借りパクしたどうなるのか?
疑問に思うところをお伝えしていきたいと思います。
闇金との連絡が取れないのは?

闇金は警察に捕まるリスクを回避するために、幾つもの携帯電話を使用しています。
携帯電話はほぼ使い捨て状態で使用しています。
ですから、毎回闇金からかかって来る番号が違うなんてことも、日常茶飯事です。
債務者から電話しても繋がらない、などという事もあり得ます。
闇金は090金融と呼ばれるような、店舗を構えない形態の貸金が多く存在しています。
街中でのビラやチラシ、最近は簡易なホームページも立ち上げていて、一瞬正規の消費者金融と見間違える程です。
ビラやチラシ、ホームページにしても、よくよく見ると連絡先は携帯電話の番号だけでしょう。
貸金業者の登録番号も無ければ、会社名も無く個人の苗字だけが記載されています。
闇金はそのようにして、自分たちのシッポを捕まれないようにしています。
よって、闇金と連絡が取れない時に、考えられるのは次のことです。
①闇金が携帯電話を変えた
②警察などに携帯電話を止められた
①は先程もお伝えしたように、闇金は短いサイクルで携帯電話を変更しています。
使い捨てすることで、捕まるリスクを避けています。
また、②のように警察などに電話を止められることも常です。
被害者からの通報や、弁護士・司法書士の介入で止められることも多く発生します。
闇金にしたら、その辺りの事は想定内なので、携帯電話は使い捨てしています。
しかし、そんなに携帯電話を頻繁に変えられるものなのか、不思議に思われるでしょう。

裏の世界では、闇金に携帯電話を売る「道具屋」と呼ばれる業者があります。
また、プリペイド携帯を使う方法もあります。
例えば一時的に闇金と連絡が取れないとしても、必ず闇金から連絡が入るはずです。
折角の美味しいお客様を、見す見す手放すような事はしません。
借りパクとは?

借りパクという言葉をご存知でしょうか?
人から借りた物を、自分の物にする意味合いです。
借りパクは元々が若者から出来た俗語です。
ゲームソフトなどを借りて、そのまま返さない事からこの言葉が生まれました。
余り気持ちの良い言葉ではありませんが、この借りパクも注意しないと詐欺罪や横領罪になってしまいます。
「詐欺罪?横領罪?そんな大袈裟な!」と思うかもしれませんが、例えば初めから返すつもりがなくて借りるのは立派な詐欺罪(刑法第246条1項)です。
他人の物を領得した場合は横領罪(刑法第252条1項)です。
では、借りパクした本なりゲームソフトを、長期間手元に持っていたとします。
よく、「もう何年も経ったから時効でしょう」なんて言う人がいます。

この時効について民法的な話をすると、借りパクは結論から言うと時効は成立しません。
あくまで借りた物ですから、本やゲームなどの所有者は、時間の経過があっても変わらないからです。
よって、何十年経とうが貸した人には請求権があります。
更に詳しくご説明すると、民法でいう時効には次の2つがあります。
- 取得時効
- 消滅時効
先程説明したように、所有者は時間の経過で変わらないため、消滅時効は成立しません。
では取得時効はどうでしょうか?
借りパクはあくまで借りた物ですから、やはり同様に成立しません。
取得時効が成立するためには、所有者に「今日からこの本は自分の物です」と伝えた上で、20年間持ち続けた場合に成立します。
もし、その本が誰のものか知らないで占有していれば(過失がなければ)10年で時効が成立します。
当然ですが、借りた持ち主に対して、「今日からこの本は自分の物です」などと宣言できません。
よって、この場合は借りパクの時効成立はほぼゼロに等しいでしょう。
今お話ししたのは、所有権や占有権についてですが、債権(金銭など)は消滅時効が成立します(民法第167条)。
10年間行使しないと消滅するとされています。
借りパクしたらどうなるの?

次は、闇金から借金して借りパクしたらどうなるかを、お伝えしていきます。
闇金は元々違法な業者だから借りパクしてもいいと、初めから返済するつもりが無く借金する人がいます。
確かに年利109.5%を超える金利の貸付けは、法律で契約そのものが無効とされています。
つまり、返済義務は一切ありません。
しかし、これを逆手にとって借りパクするのは、非常に危険な行為であると同時に、場合によっては詐欺罪になってしまいます。
近年、そのような借りパクをする人が増加しているため、闇金も初回は様子を見るといった行動を取るようになりました。
1回目の融資で問題がなければ、次回から希望額を融資するといった具合です。
闇金なりの対策を講じています。
もしも、闇金と連絡が取れないから借りパクしようと考えても、闇金はいずれ必ず連絡してきます。
『闇金ウシジマくん』の「闇金狩りくん」でも借りパクが取り上げられていました。
森下タクという表向きには旅行代理店に勤務する男性。
この男性が、身分証明書などを偽造して闇金狩りをするストーリーです。
ウシジマくんの闇金からも借入しますが、最後には捕まえられて、1,400万円もの借金を背負わされることになります。
闇金は横の繋がりも強く、諦めずにどこまでも追い詰めて行きます。
マンガの世界ではありますが、『闇金ウシジマくん』は綿密な取材に基づいて書かれています。
闇金の復讐はゼロではありません。
もし闇金に借りパクしようとした事実が知られると、嫌がらせや酷い取立てがあるのは想定でき、危険に晒される可能性もあります。
闇金は裏で暴力団と繋がっている場合もあるからです。
勿論、借りパクなどという行為はするべきではありません。
弁護士や司法書士によっては、借りパクした人の依頼は受任しない事務所もあります。
闇金から追われて、どうにも仕様が無く法律事務所に救済を求めても、借りパクするような人はある意味自業自得と断られるケースがあるようです。
警察に駆け込んだところで、厳重注意は免れません。
闇金と連絡が取れなくなった時点で、速やかに弁護士や司法書士に相談することが望ましいでしょう。