- ヤミ金とはどんな金融業者?
- ヤミ金の利息相場
ヤミ金が悪質であることは何となく分かっていても、実際にどんな手口で利用者を脅かすのか案外知られていません。
ブラックで何処からも借入出来なくなり、ついヤミ金からお金を借りてしまいます。
しかし、それは自分自身を更に追い込むだけにしか過ぎません。
ヤミ金の恐ろしさについてお伝えしていきます。
Contents
ヤミ金とはどんな金融業者?

ヤミ金の特徴は、簡単に言うと違法な高利で貸出し、利用者からとことん搾り取る金融業者です。
ヤミ金業者の特徴
- 貸金業の登録をしていない
- 「ブラックでもOK」などの違法広告
- 携帯電話の使用
- 高利での貸付け
- 恐喝や厳しい取立て
貸金業には、「貸金業法」という貸金業者に対する法律があります。
貸金業を営む場合、貸金業法第3条に基づき、国または都道府県に登録が必要になります。
国に登録が必要なのは、複数の都道府県に営業所などがある場合です。
よって、1つの県だけで営業する場合は、事務所が所在する各都道府県に申請することになります。
その登録により各々番号が与えられ、それが貸金業者登録番号になります。
貸金業法に定める主な業務形態は次の通りです。
- 消費者金融
- クレジットカードによるキャッシング
- 抵当証券業
- 事業者金融
- リース業
ヤミ金の場合は、これらのどれにも属さない金融業者で、貸金業の登録をしていません。
要するに法律違反の金融業者になります。
無登録の場合は以下のような罰則があります。
5年以下の懲役・1千万円(法人の場合1億円)以下の罰金
このように厳しい罰則があるにも拘らず、ヤミ金は法律を無視している悪質な業者です。
甘い言葉で誘い出す
「ブラックでもOK」「主婦も可能」「年金者OK」「他で断られた人も即日融資」など、インターネットや雑誌に甘い言葉で広告しています。
また、名簿屋などから入手した個人情報を利用して、ダイレクトメールやスパムメールを送り付けます。
ブラックで正規の金融業者から借入できない人や、総量規制で借入が難しい人の弱みに付け込んで、違法な高金利で貸付けするのがヤミ金です。
近頃はソフト闇金と言って、表向きは優しい口調で高利を貸付ける、新しいタイプのヤミ金も増えています。
住所不定・固定電話を持たない
ヤミ金の大きな特徴に、携帯電話だけの営業が挙げられます。
違法なことを承知でやっているヤミ金は、警察に検挙されないように携帯電話を使用します。
プリペイド式の使い捨て携帯電話を使うのが殆どになります。
当然ながら住所不定で居所も分からない状態です。
連絡先が携帯電話というところで、すぐに怪しいと思って下さい。
ヤミ金の利息相場

貸金業者には「貸金業法」と同じくして、「出資法」という利率の上限などを定めた法律があります。
「出資法」は、正式には「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」と言い、貸金業者を規制することを目的に1954年に制定されました。
当初「出資法」では、金利の上限を年29.2%と定めていました。
しかし2010年の貸金業法の改正で上限金利を年20.0%に引き下げました。
この上限金利に違反すると、5年以下の懲役・1千万円(法人の場合3千万円)以下の罰金が課せられます。
更に金利を定めているのは「出資法」ともう1つ「利息制限法」があります。
「利息制限法」の金利は以下の通りに定められています。
- 借入10万円未満 年20.0%
- 借入10万円以上100万円未満 年18.0%
- 借入100万円以上 年15.0%

どうして利息を定めた法律が「出資法」と「利息制限法」の2つもあるか疑問に思いませんか?
1本化した方がいいのでは?と思いますよね。
その理由は、「出資法」は貸金業者などを取り締まる刑事の法律で、「利息制限法」は債務者を保護する民事の法律だからです。
それぞれ目的が違った法律になります。
2010年6月の「出資法」改定で、上限金利が年20.0%に引き下げられたことにより、それまで「出資法」の上限金利年29.2%と「利息制限法」の上限金利年20.0%の間の、通称グレーゾーン金利と言われていた部分が撤廃されました。
「出資法」改定は、消費者がより安全に利用できる事と、ヤミ金などの悪質業者の取り締まり強化がなされました。
「出資法」違反の貸付けをした場合は、刑事罰の対象になります。
「出資法」で定める上限金利の年20.0%を超える貸金業者は、ヤミ金と思って間違いないでしょう。
ヤミ金の金利は?
法律で定める金利の上限が分かりましたが、ではヤミ金の利息相場はどれ位でしょうか?
確認していきましょう。
- トイチ(10日で1割)
- トニ (10日で2割)
- トサン(10日で3割)
- トヨ (10日で4割)
- トゴ (10日で5割)
※1週間や2週間単位のヤミ金もあるようです

トゴは恐ろしい金利ですが、漫画の『闇金ウシジマくん』でもトゴでしたね。
トイチやトゴと聞いても、あまりピンとこないと思います。
具体的に確認してみましょう。
例えば、20,000円をトイチ(10日で1割)で借入れした場合、10日後に元金20,000円の1割の2,000円をプラスした22,000円を返済することになります。
20,000円×365%÷365日×10日=2,000円
「なんだ、大したことない」と思いましたか?
では次は、20,000円をトゴ(10日で5割)で借入れしたとします。
20,000円×1825%÷365日×10日=10,000円
そうです!10日後には5割に当たる利息の10,000円をプラスして30,000円返済が必要になります。
どうでしょうか?いかに高利かが理解いただけたでしょうか。
もっと分かりやすく法定利率と比較してみましょう。
- 利息制限法 20.0%
- トイチ(10日で1割) 365.0%
- トゴ(10日で5割) 1825.0%
出資法や利息制限法で定められた金利を、はるかに超える金利なのが分かりますね。
これらは単利で計算しています。
ヤミ金の場合は大抵複利で計算していきます。
簡単に単利と複利の違いを説明すると次のようになります。
- 単利:元本に対してだけ利息が付く
- 複利:元本と利息に対して利息が付く
例えば20,000円をトゴ(10日で5割)で借りて、10日後に返済できなかったとします。
そうなると、今度は20,000円に利息の10,000円を足した30,000円に対し、トゴ(10日で5割)の利息が加算される仕組みです。
そうですね、20日後にはもう45,000円に膨らんでいます。
20,000円を1か月借りたら67,500円です。
ヤミ金の複利がどれだけ怖いか分るでしょう。
1年間返済をしなかったら、「億」の金額になってしまいます。
有り得ない金額ですし、到底支払うのも不可能です。
もしも、やむを得ずヤミ金に手を出してしまった場合は、早めに弁護士や司法書士などの法律家に相談しましょう。