- 離婚問題は深刻且つデリケート
- 離婚に弁護士は必要か?
- 離婚の無料法律相談はすべき?
- 離婚のための弁護士の探し方
厚生労働省が2016年12月に公開した婚姻・離婚率の調査では、2016年の婚姻件数は約621,000件。
一方2016年の離婚件数は約217 ,000件でした。
この数字を見ても、決して離婚率は少なくないことが分かります。
では、離婚時に弁護士を依頼すべきか?どのようにして探したらいいかなどをご紹介していきます。
離婚問題は深刻且つデリケート

離婚で揉めるのは財産分与や慰謝料・年金分割。
子供がいれば養育費など、お金が絡む事項になります。
当人同士では話がまとまらず、調停を申立てる場合も出て来るでしょう。
離婚には4つの種類があります。
- 協議離婚
- 調停離婚
- 審判離婚
- 裁判離婚
【協議離婚】
協議離婚は当事者だけで話し合いを持ち、離婚届に署名・押印して、最寄りの市区町村役場に提出します。
話し合いで決まった財産分与や養育費などは、公正証書にするのが一般的です。
【調停離婚】
調停離婚は、夫婦間で話し合いがまとまらない場合に、家庭裁判所に調停を申立て、裁判所を介して話し合いをします。
通常は男女1名ずつの調停委員が、双方の話を聞いてまとめていきます。
【審判離婚】
審判離婚は裁判官の職権で離婚が成立します。
話がまとまらず調停が不成立となり、尚且つ離婚した方が良いと判断した場合になります。
しかし、納得がいかないときは、2週間以内に異議申立を行えば効力を失います。
【裁判離婚】
裁判離婚は一方からの訴訟提起で進行します。
申立人・相手方ではなく、原告・被告として争われていきます。
お互いに証拠を提出し、財産分与などの請求をしていきます。
裁判ではそれぞれに代理人(弁護士)を依頼することが多くなります。
離婚に弁護士は必要か?

調停までは弁護士を依頼しなくても、何ら問題がありません。
しかし、弁護士に依頼していた方が、優位に働く場合が多くなります。
争点が多い場合は、検討する余地があるでしょう。
また、離婚裁判で弁護士の依頼は強制ではありません。
しかし、裁判は主張と立証がポイントになりますから、裁判に慣れていない素人では裁判官に上手く伝わらず、不利な状況になりがちです。
勝てるはずの裁判が負けてしまう場合も実際にあります。
裁判費用は弁護士報酬とは別に、訴訟額に対する印紙代、郵券、戸籍謄本代などが発生します。
弁護士に依頼しない場合は、自身で訴状を作成することになるので、慣れていないと大変な作業になるでしょう。
離婚の無料法律相談はすべき?

現在はインターネットの普及で、簡単に様々な情報を得ることができます。
但し、中には誤報があることも考えられます。
離婚は各家庭でケースバイケースになるため、無料法律相談を利用して意見を参考にすると良いでしょう。
有名なところでは、法テラス(日本司法支援センター)があります。
【法テラス(日本司法支援センター)】
- 受付:平日9:00~21:00・土曜9:00~17:00
- メール問合せ:24時間対応
問題点としては、必ずしも離婚に強い弁護士が担当してくれるとは限りません。
法テラスの弁護士は、登録している中から交代で対応しているからです。
その他にも、市区町村の無料法律相談が実施されています。
しかし、法テラスと同様に離婚に特化した弁護士に当たるとは限りません。
また、市区町村の無料法律相談の場合は、公共施設で実施されるため、顔見知りに出会ったりと、プライバシーが守られない可能性が高くなります。
その他、個人の法律事務所でも無料相談しているところがあります。
離婚のための弁護士の探し方

弁護士選びを慎重にして、出来れば良い条件で離婚したいものです。
探し方には主に次のような方法があります。
- 友人・知人に紹介してもらう
- 法テラスや無料法律相談を利用
- インターネットからの情報
- 弁護士検索サイト
友人・知人に紹介してもらう
離婚騒動の渦中にいては、じっくり探す時間を持てないのが現実です。
そこで、頼りになるのは友人・知人になります。
離婚率の多い昨今ですから、身近にも案外離婚者がいるものです。
友人・知人から、前もって弁護士の人柄や費用面の情報が聞けるため、安心して相談や依頼ができるでしょう。
法テラスや無料法律相談を利用
法テラスや無料法律相談では、相談をしてくれた弁護士から、詳しい話や依頼の場合はこちらにと、名刺を渡される場合が多いでしょう。
無料相談のため、時間が1人30分と制限があり、深いところまで話せない場合が殆どだからです。
弁護士といえども相性がありますし、当然強制ではありません。
別の弁護士に依頼することも全く構いません。
あくまで良い出会いと感じた弁護士にだけ、依頼すれば良いでしょう。
インターネットからの情報
通常は、殆どの人が弁護士とは無縁なのが一般的でしょう。
ですから、弁護士の評判をインターネットから探すのは一苦労します。
そんな中でも、独自にホームページを持っていて、自ら離婚事件に強いと謳っている事務所を探しましょう。
経験や実績の多い弁護士は、落としどころや、勝てるポイントをしっかり押さえています。
交渉力にたけ、信頼のおける弁護士を探しましょう。
ただ、あまり遠方だと、交通費や日当が加算され、費用が高くなる場合がありますから、注意が必要です。
弁護士検索サイト
近年多くなってきている、○○検索サイト。
有名なところでは「弁護士ドットコム」や「離婚弁護士ナビ」があります。
「弁護士ドットコム」は地域と分野を選択して検索できるため、住んでいる地域の離婚に強い弁護士を簡単に選ぶことが可能です。
弁護士の特徴の他、営業時間などの事務所情報と、費用面も見ることが出来ます。
費用の目安がわかると、依頼する際も安心です。
さらに支払い方法も、分割が可能か記載されています。
「離婚弁護士ナビ」は、離婚に特化した弁護士検索サイトのため、「離婚Q&A」「離婚手続きの流れ」など、離婚に役立つ情報も得ることができます。
以上のように、友人・知人や法律相談、インターネットからも弁護士を探すことができます。
優位な離婚ができるように、実力と信頼を兼ねた弁護士を見付けましょう。