- 離婚問題の弁護士依頼割合は?
- 弁護士費用の相場
- 無料相談を活用する
- 弁護士に依頼すべきか?
離婚問題を弁護士に依頼しようと思った時に、気になるのが弁護士費用ではないでしょうか。大手の弁護士法人などはホームページを持っていて、費用についても掲載されていることが多いでしょう。
しかし、個人事務所だと費用が不明確な場合が多く、依頼にも躊躇してしまう場合があります。そんな離婚問題に関する弁護士費用の相場についてお伝えしていきます。
離婚問題の弁護士依頼割合は?

司法統計によると、夫婦関係調整調停に弁護士が関与した事件は、2006年で22%台なのに対し、2015年にはその倍近い43%台になっています。
離婚や夫婦円満調整などの家事審判で、申立人・相手方の双方で弁護士が付いた事件は、上記のように年々増加しています。
離婚裁判については、ほぼ100%に近い割合で弁護士が関与しています。そこで知りたいのが、やはり費用についてです。
弁護士費用の相場
現在、弁護士費用に関しての規定はありません。平成16年4月1日から「旧規定」を廃止して、自由に定めて良いことになりました。
本来は自由報酬のため、各事務所ごとに弁護士費用を決めて良いことにはなっていますが、多くの事務所では「旧規定」を基準にしているようです。
【法律相談】
- 初回市民法律相談料:30分ごとに5000円か1万円の範囲内の一定額
- 一般法律相談料:30分ごとに5000円以上2万5000円以下
【離婚調停】
- 調停事件・交渉事件:着手金・報酬金それぞれ20万円から50万円の範囲内の額
- 財産分与・慰謝料等の請求は経済的な利益による割合
【離婚訴訟】
- 離婚訴訟:着手金・報酬金それぞれ30万円から60万円の範囲内の額
- 財産分与・慰謝料等の請求は経済的な利益による割合
※依頼者の経済的資力,事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し増減額することができる
旧規定報酬ではこのような取り決めがされており、決して安い金額ではありませんでした。
では、現在の相場はどうでしょうか?弁護士事務所によっては、この旧規定をそのまま使用している事務所もあるようです。
【相談料について】
相談料については、変わらず5,000円が大半を占めています。法律相談:30分5,000円
これは一般的な金額であり、慣習化しています。よく知られているところでは、法テラスや市区町村主催の法律相談は、無料で受けられる場合があります。
また、良心的な弁護士事務所は無料相談を実施していたり、30分の枠を延長して相談に応じている事務所もあります。
よって、無料相談を実施している弁護士事務所を探し、利用することも賢い方法です。
【離婚調停】
次に、離婚調停についてですが、着手金は15万円~30万円。報酬金は30万円程度が多いようです。
大手弁護士法人アディーレ法律事務所の費用を例にとると、着手金が20万円で報酬金は30万円(税抜)になっています。
調停に弁護士の同席を希望する場合は、日当として1回につき5万円(交通費込)がかかります。
ほぼ相場の金額ではあっても、日当や細かな費用が加算されると、思いもしない金額になる場合があります。
【離婚裁判】
離婚訴訟の着手金は30万円~50万円で、報酬金は30万円~60万円程度が多いでしょう。
さらに注意しなければならないのが、財産分与や慰謝料を回収できた場合に、経済的利益に対する報酬も請求されます。日当・交通費も3~5万円が相場になります。
先程と同様に、弁護士法人アディーレ法律事務所の費用を例にあげると、離婚訴訟は着手金30万円で報酬金は30万円(税抜)。
その他慰謝料請求などは、着手金20万円に報酬は経済的利益(減額分)の17.28%です。
不倫相手と(元)配偶者の両方に請求する場合は、30万円になっています(※全て税抜)。
また、出廷1回につき日当が加算されます。こんな金額じゃ弁護士は到底依頼できないと思われるでしょうが、先程もお伝えしたように、弁護士費用は自由報酬になっています。
高額な事務所から良心的な事務所まで様々あります。しかし、安かろう悪かろうでは話になりません。
親身に離婚相談にのってくれる事務所を探し、二人三脚で離婚を乗り切ることが理想です。
無料相談を活用する

先程から何度かお話ししていますが、無料で弁護士の法律相談が受けられる場合があります。
- 法テラス
- 地方自治体主催
- 民間団体
- 法律事務所
法テラスは、正式には日本司法支援センターと言い、国が運営する国民向けの法的支援を行う機関です。全国各地にある他、月~土の毎日法律相談を実施しています。
また、市区町村役場などの地方自治体が主催になった、無料法律相談が定期的に開催されています。
さらに、NPO法人などの民間団体が中心となって、離婚を希望する女性をサポート目的とした、無料法律相談が開催されることがあります。
そして、弁護士事務所によっては、無料相談を実施している事務所があります。相談は必ずしも1ヶ所に限定されていません。
AもBもと色々な弁護士の意見を参考に、離婚の知識を得るのも悪い方法ではありません。
弁護士に依頼すべきか?
新しい一歩を踏み出す時に、弁護士費用は大きな負担になる場合があります。また、どの時点で弁護士を依頼するかによっても、費用は違ってくるでしょう。
離婚する当人同士で話し合いがまとまれば、協議離婚が成立します。特段、弁護士を依頼せずとも離婚ができてしまいます。
当事者では話がまとまらない場合に、裁判所へ離婚調停を申立てします。調停委員が間に入って話し合いを進めますが、争点が多い場合は、この時点で弁護士を依頼する人もいます。
当然、弁護士の介入で優位に働くことが多くなるからです。調停でも話し合いがつかないと離婚裁判になりますが、ここで多くの人が弁護士を依頼します。
よって、依頼するポイントとしては離婚裁判です。最も、厚生労働省の統計により離婚を種類別に見ると、裁判離婚をする人は全体の1%余りで、非常に少ない数字です。
確かに弁護士費用は高額ではありますが、経済的事情を考慮して、費用を減額してくれる事務所も少なくありません。分割払いを対応している事務所もあります。
離婚に際して、自分がどうしたいか、何を請求したいか、しっかりとした方向性を持つことが重要です。