- 借金から逃れるなら夜逃げをするしかない?
- 夜逃げをばれずにする方法はある?
- 夜逃げをする時の注意点は?
闇金や消費者金融からの借金を返済することが難しくなり、どうにもならなくなってしまった・・・。
このような場合の最後の選択肢で思い浮かぶこと。
それは「夜逃げ」なのではないでしょうか。

夜逃げは簡単にできるものではなく、慎重に考え強い覚悟を持たなければなりません。
夜逃げによるデメリットなどを知りながら債務者の最終的な方法として使われる「夜逃げ」の方法を解説していきます。
『夜逃げ』とは
夜逃げはご存知の方も多いですよね。
『夜逃げ』とは
必要最低限の生活道具だけを持ってこっそり引っ越すこと。
夜逃げをするケースは、借金だけではありません。
ストーカー被害に合っている方が、ストーカーから逃げるために行ったり、家庭内暴力、いじめなどから逃れるためにすることがありますが・・・。
やはり借金の取立てから逃げる方が最も多いです。
債務者は、夜逃げをして債権者から逃れ、再出発をしたいと思っている人も多いようです。どうにもならなくなった時の最終手段と言えます。
しかし、夜逃げは自分で自分の首を絞めることになる場合もとても多いのです。
夜逃げが成功すれば借金チャラ

個人からの借金は10年が時効とありますが、10年経過すればチャラになるのでしょうか。
法人からの借金は5年が時効と決まっているものの、裁判手続きに入ってしまうと時効が中断されてしまいます。
借金から逃れるために夜逃げをしても、逃げ切ることはできないということ。
夜逃げは借金から逃れられると思う方もいますが、リスクも多いことはお分かりでしょうか。
夜逃げに失敗したら借金が増える可能性も

夜逃げを成功させるためには、金融機関からも逃げなければなりません。
つまり、借金を1円たりとも返済しないということ。
逃げている最中にも借金の利息、遅延損害金はどんどん増えていきます。
成功すれば借金がチャラになりますが、失敗したときは余計に借金が大きくなってしまうのです。
失敗し借金が大きくなってから自己破産を選ぶくらいなら、最初から自己破産を選んだ方が時間もムダにならないと思いませんか?
借金の時効が止まることもある

借金の時効は原則5年です。
しかし、この時効のカウントは状況によって中断されることがあります。
中断事由
- 請求
- 差押さえ・仮差押または仮処分
- 債務の承認
請求は裁判上の請求で、裁判所に訴えることになり、裁判所から債務者に訴状が送られてきます。
この訴状を無視した場合、原告(債権者)の主張が全面的に認められる判決が出ます。
この判決を防ぐには、答弁書という書類が必要です。
また裁判以外でも時効が中断することがあるのですが、それが「催告」です。
生活基盤が壊れる

今までの生活は当然送ることができなくなります。
職場から足がつかないようにするために仕事を変える必要があります。
簡単に仕事が見つかれば良いですが、そう簡単に新しい就職先を見つけることも難しいでしょう。夜逃げをしてきたのならなお更。
そして引越しもしなければならないし、子どもがいる方は転校も。新たな人間関係を築いていかなければなりません。
このように今までの生活とは全く違った環境になること、夜逃げは心労が溜まります。
いつ居場所がバレるかも分かりません。恐怖に怯えながら暮らしていくことは相当な覚悟がないとできるものではありません。
神経が相当図太くないとできませんね。
ローンが組めなくなる
夜逃げをして仮に借金の時効を迎えたとしても、基本的にローンは一生組めなくなります。
借金を踏み倒したという事実は、信用情報機関の民間企業のデータベースの登録されているからです。
自己破産、債務整理をしても信用情報機関に登録されますが、こちらの情報は通常5年~10年程度で削除されます。
自己破産の場合なら、情報が削除された後にはローンが組めるようになります。
自己破産の方がまだマシ?

夜逃げにはさまざまなリスクがあるということが分かりましたね。
借金をチャラにしようとする行為。成功するかしないかは分かりません。
自己破産も同じ行為ですが、うまくいく可能は高く失敗しても夜逃げほどデメリットが大きくありません。
上記の大きなデメリット、リスクを考えたら夜逃げよりも自己破産をした方がまだマシなのではないでしょうか。
ここからはそれでも夜逃げをしたい方へになります。
夜逃げをする方法、徹底解説

さまざまなデメリットを持つ夜逃げをしたいというのであれば、1人でやりましょう。
夜逃げはメリットよりもデメリットが遥かに多い行為。
自己破産は嫌だから夜逃げをしたい!そう言うのであれば、せめて1人で夜逃げをするべきではないでしょうか。
自分が作った借金が原因で、家族を巻き込んで夜逃げをするというのは最低ですよね。
家族がいるなら夜逃げはするべき行為ではありません。自己破産を選ぶべき。
それでも夜逃げをする方法が知りたいという方の参考に、準備から方法について解説していきましょう。
夜逃げの準備

準備には時間をかけましょう。
夜逃げの成功にはしっかりと時間をかけた「準備」が鍵となります。
何の準備もしないで夜逃げをしても、1ヶ月で頓挫でしょうね。
本気で逃げる気なら最低でも1ヶ月はかけて準備を行いましょう。
- 不用品の生理
- 何を持っていくか決める
- 職場を退職する
- 就職先のピックアップ
- 携帯電話の解約
- 不動産会社、大家への連絡
- 荷物を持ち出す手段の計画
夜逃げをする前にはこのような準備が必ず必要です。
夜逃げは目立たずに行わなければなりません。荷物は基本的に少なければ少ないほど良いでしょう。
不要なものは思い切って処分すること。
しかし、いきなり大量のゴミを捨てるのは近隣の方に不審がられますので、少しずつ処分を行いましょう。
持ち物は必要最低限にすること
持ち物
- 衣類
- 現金
- 身分証明書
必ず必要になる衣類はできれば3着程度に。そしてお金も用意します。
夜逃げをして直ぐに新しい生活がスタートできるとも限りません。時間稼ぎをするためにも手持ちの現金は大いに越したことはありません。
写真つきの身分証明書があればベストです。
最低限の荷物ですから、これくらいにしましょう。
バレないことが第一条件ですからね。
職場の退職手続き

会社勤めをしている場合ですが、辞める手続きを取りましょう。
夜逃げ後の生活をスムーズにすることができます。
会社を退職すると離職票という書類がもらえます。
雇用保険の失業手当を受け取るために必ず必要になりますからね。
原則、退職から10日以内に送られてきます。送られてこないときは、会社を管轄するハローワークへ連絡をしましょう。
勤続年数が長い方の場合は、退職金をもらえることがあります。
夜逃げにはできるだけ多くの現金を持っているに越したことはありません。事前にもらえるものはもらっておくこと。
夜逃げ先での就職先をピックアップ

夜逃げは基本的に住民票を異動せずに行います。
住民票の住所を変更しないということは、それだけ就職先の選択しの幅を狭めるということ。
まともな会社は本人確認すらできない人を雇うはずがありませんからね。
就職先が見つからずホームレスになってしまうなんて笑えません。
夜逃げ前に再就職先は探しておくこと。
携帯電話の解約

携帯電話は解約が必須です。
最も足がつきやすい携帯電話を夜逃げ前に必ず解約しましょう。
新規で契約するのも身分証明書だけで住民票は不要なので、新たに契約をすることができます。
荷物を持ち出す方法を計画

荷物はどのように運べばよいか考えましょう。
自分で運んでもOK。
しかし、車を持っていない人が荷物を持ち出すのはかなり大変です。
業者に頼むのもお金はかかりますし・・・。手伝ってもらう人数が増えれば増えるほどバレる危険もあります。
基本的には自分でできる場合は、自分でやりましょう。
どうしてもできない場合は、夜逃げ屋のサポートを受けましょう。
夜逃げの実行編

いよいよ夜逃げの実行になります。
夜逃げは昼間がベスト
夜逃げですから夜というイメージがありますよね。
基本的に昼間行います。むしろ昼間に行うべきと言えます。
住宅街に住んでいる方は夜中に荷物を運び出していたら明らかに・・・夜逃げ?と思われます。
とにかく怪しまれないことが肝心。昼間に堂々と行ったほうが怪しまれません。
潜伏先の確保

逃げる場所はどこにしますか?
あまり近い場所だと知り合いに合ってしまう可能性もあります。
逃げると決めた以上、何があっても逃げなければなりません。
プライバシーも確保できて、宿泊料も安い場所が1週間程度の一時的な身を隠す場所には適切です。
- ビジネスホテル
- カプセルホテル
- ネットカフェ
ネットカフェは飲み物なども飲み放題ですし、何よりもインターネットが使い放題ですからね。
必要な情報を入手することができるので、ネットカフェは心強い味方になってくれるでしょう。
腰を据えて住む場所が必要になります。
- 夜逃げ屋に相談する
- マンスリーマンション
- 田舎過ぎない街中
資金に余裕がある場合は、夜逃げ屋に相談してみるのもいいでしょう。
不動産会社と提携している夜逃げ屋も多いので、そこから安くそれなりのところに住める物件を紹介してもらうことができます。
そういったサービス以外ならマンスリーマンションを利用するのもアリ。
潜伏先はあまり田舎過ぎるところは避けること。ある程度人が多いところの方が目立たずに生活をすることができます。
夜逃げのその後の生活編

逃げるだけなら可能でも、その先で新しい生活を始めることも考えなければなりません。
- 夜逃げした後の住居
- 住民票異動
- 郵便物転送届け
- 免許証、保険証などの住所変更
- 携帯電話の契約、解約
- 就職、子どもの転校入学手続き
全て捨てて新しい生活を始めようというために夜逃げを行うのですから、こういった手続きも無視できません。
しかし、転送手続きを自ら行ってしまうと夜逃げ先が周囲にバレる可能性もあります。
確実に逃げるならこのような手続きを含め、専門業者に依頼するのも良いでしょう。
業者に依頼するなら、夜逃げ+その後の生活までバックアップしてくれる業者が適していると思います。

新居が見つかり、新たな生活のスタートです。
住むところが決まったからと言っても安心はできません。
油断してうっかり夜逃げ前の情報が盛れたら全てが水の泡。
生活を安定させるためにも、夜逃げ前の情報は他の人に絶対に教えない、漏らさないこと。
携帯電話の新規契約

携帯電話の契約をしましょう。
- 夜逃げ前に使用していた会社とは別のところにする
- 極力自分から電話をかけないこと(電話するなら非通知)
- 信頼できる法人以外は番号を極力教えない
携帯電話の会社も例え親友だとしても、個人情報を教えてしまうのは危険です。
夜逃げを成功させるためにも、夜逃げ前の人間関係などは全て諦めるくらいの気持ちが必要です。
支払いは現金で

夜逃げ前に持っていたカードなどは全て処分しましょう。
クレジットカードもマイレージカードも。
お金が下ろせなくなってしまうと困るので、キャッシュカードだけは残しておきます。
カード関係も最低限に。
支払いをする時は必ず現金、または金券ショップなどで購入した金券。
とにかく足がつかない方法で支払いもするべきです。
住民票はすぐに移さない

夜逃げした人の居場所は、住民票からバレることが多いです。
債権者は正当な権利に基づいて戸籍や住民票を確認することができます。
そのため、夜逃げをしてすぐに住民票を移すのはNG。
また、住民票を異動しないのもデメリットがあります。それは再就職です。
採用になったとしても住民票が出せないような人は疑われますからね。
その他にも印鑑証明やら大事な書類は住民票や役所への手続きが必要になります。

夜逃げにはさまざまな面でデメリットが生じます。
住民票を移すなら、借金の時効を迎えて時効援用の手続きをしてから。
時効を迎えるためには最低でも5年です。
あなたは5年間も耐えられますか?
まとめ
夜逃げを成功させるには、リスク、デメリットを覚悟しなければなりません。
また、これまでの人間関係、生活環境、生活スタイルなどを捨てなければいけないこと。
本当に夜逃げをするしか方法がないのか。今一度考えてみてはいかがでしょうか。
自己破産、債務整理をした方が良いことの方が多いのではないでしょうか。
自分の人生、家族の人生しっかり考えましょう。
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