- 交通事故の被害者と加害者
- 交通事故に弁護士は必要?
- 弁護士費用は相手に請求可能?
まさかの交通事故!いつ自分の身に起こるか分かりません。
車を運転していると、いつも交通事故と隣り合わせです。
被害者・加害者に関わらず、弁護士は依頼した方がよいのでしょうか?
交通事故と弁護士の関係を詳しく解説していきます。
交通事故の被害者と加害者

1つの交通事故で、当たり前ですが被害者と加害者がいます。
それぞれの立場で大きく状況が変わってしまうのが交通事故です。
被害者の立場
【事故が起こったらやるべき事6つ!】
- その場で警察に連絡する
- 怪我をしたら人身事故として扱う
- 相手の氏名・連絡先・車のナンバー・保険会社を確認
- 写真を撮影しておく
- 車の修理費用や病院の領収書を保管
- 診断書をもらっておく
稀に、面倒だからと警察を呼ばない人がいますが、後々トラブルの原因になってしまいます。
交通事故では、必ず警察を呼ぶことは必須条件です。
警察は過失割合を出す際の基準になるため、警察が関与していないと、保険会社によっては保険適用外という厳しい判断をされることもあります。
また、相手の連絡先や車のナンバー、保険会社はお互いに確認することも大切です。
出来れば、車検証などを見せてもらうと良いでしょう。
たまに、運転者と車の所有者が違っていることがあります。
車の破損状況などの写真を撮っておくことも忘れないように。
周囲の状況なども撮影しておくと、後から説明する際に役立ちます。
もし怪我をしている場合は、すぐに病院に行きましょう。
物損事故だけではなく人身事故になります。
その際は領収証を必ず保管しておくことと、後遺症も考えられる場合は診断書をもらっておきましょう。
被害者の損害賠償請求
大きく分けて次の4つがあります。
- 物損損害
- 積極損害
- 消極損害
- 慰謝料
物損損害は物損事故の場合のみ(怪我などがなかった場合)で、請求は主に車の修理代金になります。
その他の3つは人身事故を伴う場合になります。
積極損害は怪我の診察治療代になります。
入院費・通院費・交通費・リハビリと、交通事故によって実際にかかった費用になります。
それに対し消極損害は、交通事故によって仕事を休んだ休業補償や、逸失利益になります。
逸失利益とは、交通事故にあわなければ得られたであろう収益が減少することです。
例えば、事故で車いす生活を余儀なくされた場合に、本来なら将来に得られるはずだった収入の損害になります。
慰謝料は、精神的・肉体的に味わった苦痛に対するもので、大きく分けると次の3つがあります。
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料
入通院慰謝料
入通院慰謝料には計算式があります。
①治療期間(入院期間+通院期間)
②実通院日数(入院期間+実通院日数)×2
2つの計算式を比較して日数が少ない方を採用し、尚且つ4,200円をかけて計算することになります。
後遺障害慰謝料
次に後遺障害慰謝料ですが、慰謝料の中でも一番といって良いほどの重要な部分になります。
後遺障害には目安となる基準等級があります。
その等級によって金額が変わってきます。
死亡慰謝料
最後に死亡慰謝料ですが、本人は残念なことに死亡してしまっている訳ですから、残された遺族に対して償う気持ちになります。
これら全てを合計した金額が被害者の損害賠償請求額になります。
加害者の立場
【事故が起こったらやるべき事5つ!】
- 怪我人の救護・重傷者がいれば救急車を呼ぶ
- その場ですぐ警察に連絡する
- 相手の氏名・連絡先・車のナンバー・保険会社を確認
- 事故の記録や写真を撮影しておく
- 保険会社へ連絡
一番に怪我人の救護にあたることが重要です。
状況によっては救急車を呼ぶなど、人命救助を優先させましょう。
次に警察へ連絡します。
また、事故の状況を撮影したりメモを取るなどしましょう。
相手が大きな怪我をしていなければ、氏名・連絡先・車のナンバー・保険会社などを相互に確認しておきます。
保険会社へもすぐに連絡し、指示を仰ぎます。
加害者の負う責任
交通事故の加害者になると、次の3つの責任を負うことになります。
- 刑事上の責任
- 民事上の責任
- 行政上の責任
刑事上の責任は、業務上過失致死傷害罪(刑法211条)や過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法5条)、危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法2条)など、場合によっては刑事罰を負う事になってしまいます。
民事上の責任としても、損害賠償責任(民法709条)。
さらに行政上の責任として道路交通法違反などを負うこともあります。
いずれにしても、いかに示談にもっていくかがポイントになります。
交通事故に弁護士は必要?

交通事故の被害者・加害者の立場を簡単にご説明してきました。
では、それぞれが弁護士を依頼するとどうなるでしょうか?
被害者が弁護士を依頼した場合のメリット
弁護士に依頼すると、弁護士基準が利用できることになります。
損害賠償金には、①自賠責基準②任意保険基準③弁護士基準の3つがあります。
通常保険会社から提示される保険金額は、低く抑えた金額になります。
一方、弁護士の提示する金額は、過去の判例などを基に裁判所基準で請求しているので、高い金額になります。
もし、契約中の任意保険で弁護士費用特約を附帯していれば、使用することもできます。
大袈裟に言えば、弁護士費用特約は被害者のためのものだからです。
加害者が弁護士を依頼した場合のメリット
自動車保険は加害者のための保険ですから、被害者に対する損害賠償を保険が保証してくれます。
しかし、重大な過失があって刑事罰になりそうな時や、話がまとまらず示談が成立しない場合があります。
そんな時にはやはり弁護士に依頼すると、スムーズな示談ができる場合があります。
特に交通事故示談の経験や実績のある弁護士に依頼することで、より良い解決に繋がります。
弁護士費用は相手に請求可能?

弁護士費用は相手に請求可能か、被害者・加害者共に確認してみましょう。
一般的には、被害者も加害者も相手に対して弁護士費用を請求する事は出来ません。
稀に訴訟になった場合に、条件付きで交渉の一環として請求することは考えられます。
交通事故の被害者で、弁護士費用特約に加入していれば、殆どの場合弁護士費用の手出しがなく済むことが多いでしょう。
しかし、弁護士費用特約は加害者の立場では使用できないため、自身で弁護士費用を捻出する必要があります。
交通事故で弁護士を依頼するメリットは大きいと言えます。
特に人身事故を伴う場合は、安心の示談ができるでしょう。
交通事故に関する相談について
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