交通事故 示談金 相場 加害者 示談交渉

  • 示談交渉とは?
  • 加害者の示談交渉
  • 示談金の相場

想定もしていなかった交通事故に巻き込まれ、慣れない示談交渉で精神的にも参ってしまいます。

相手の保険会社の言うままに示談して、本当に正当な金額だったのでしょうか?

示談金の相場について確認していきましょう。

示談交渉とは?

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示談交渉は、交通事故が起こった際に、被害者と加害者の責任について話し合うことを言います。

一般的には、被害者の加入している保険会社と、加害者が加入している保険会社が話し合いを持つことになります。

示談金は、修理代金や入院費・治療費、精神的な慰謝料を含めた総合的な損害賠償金になります。

示談交渉を始める時期

交通事故は、物損事故と人身事故の2種類に分けられます。

物損事故であれば、車両の修理が終わった時点。

人身事故であれば、怪我が完治または固定された時点が多いでしょう。

固定とはそれ以上治療を続けても、回復の見込みがない状態を言います。

一般的には後遺症が残る場合になります。

また、死亡事故に於いては、感情的なものもあることから、49日の法要が終わった時点が通常とされています。

示談交渉の相手

示談交渉の相手は、先ほどもお伝えしたように、相互の保険会社になります。

しかし例外もあります。

考えられるパターンをあげてみました。

【被害者と加害者の保険会社】

過失割合が10対0の場合、被害者の保険会社は示談交渉することができません。

よって直接被害者が、加害者の保険会社と話し合うことになります。

【被害者と加害者】

過失割合が10対0で、加害者が保険に加入していない場合。

【加害者または被害者と保険会社】

過失が互いにある場合は、先ほどもお伝えしたように保険会社同士の話し合いになります。

しかし、どちらかが保険に加入していなければ、未加入の当事者と保険会社が示談交渉することになります。

【相続人と加害者の保険会社】

死亡事故の際は、その相続人と示談交渉がされることになります。

更に、どのパターンでも弁護士が介入することは可能です。

特に弁護士費用特約を付帯している場合は、利用することで優位な結果になることが多いと言えます。

しかし、一般的に弁護士費用特約は被害者のためのものであり、加害者としては使用できない場合が多いでしょう。但し、両方に過失がある場合は、この限りではありません。

加害者の示談交渉

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次は加害者の示談交渉にスポットを当ててお伝えしていきます。

交通事故を起こした加害者には、3つの法的責任が課せられます。

  • 刑事上の責任
  • 民事上の責任
  • 行政上の責任

特に死亡事故の場合、加害者は過失運転致死傷罪などの刑事罰を処せられることになりますが、示談が成立することで柔軟な対応が取られる可能性が出てきます。

民事上の責任としては、損害賠償や慰謝料などの金額を交渉して示談することになります。

また、行政上の責任は、交通反則金や免許の取り消し、減点などの処分がなされます。

損害賠償の交渉

加害者は、先ほどお伝えした民事上の責任について示談交渉していくことになります。

交通事故の損害賠償は、大きく分けて財産的損害と精神的損害に分類されます。

財産的損害は、更に積極損害と消極損害に分けられます。

【積極損害】

  • 車両の修理代
  • 治療費・入院費
  • 交通費
  • 葬儀費用

【消極損害】

  • 休業損害
  • 後遺障害の逸失利益
  • 死亡による逸失利益

積極損害は修理代や交通費など、実費のため金額が確定しやすいのに対し、消極損害は交通事故に遭わなければ得られたはずの金額になります。

一方、精神的損害は交通事故により被害者が味わった苦痛で、入通院慰謝料や後遺障害に対する慰謝料、そして死亡慰謝料などがあります。

最も示談交渉の中で争点となるのが慰謝料になります

示談金の相場

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示談金いわゆる損害賠償には、一定の算定基準があります。

代表的な損害賠償の基準は次の通りです。

  • 自賠責保険の基準
  • 任意保険会社の基準
  • 日弁連交通事故相談センターの基準

これらのどの基準が採用されるかによって、損害賠償が大きく変化します。

この中で一番高額になるのは弁護士基準であり、次いで任意保険となります。

自賠責保険は強制加入のため、最低限の金額が保証されることになります。

自賠責基準を例にとってみると、次のようになります。

【自賠責保険の基準】

①傷害の損害賠償:支払限度額120万円

②後遺障害の損害賠償:75万円~4,000万円

③死亡による損害賠償:3,000万円

①に含まれる傷害の慰謝料は、次の計算のどちらか日数の少ない金額が基準になり、1日4,200円を掛けます。

  • 通院実日数×2倍
  • 総治療期間

例えば入院が1ヶ月で通院が2ヶ月(実際の通院日20日)だった場合

  • 通院実日数×2倍:50×2=100日
  • 総治療期間:90日

よって90日の方が短いので、以下のような計算になります。

90日×4,200円=378,000円

また、休業損害の自賠責の計算では、実際に休んだ日数を、1日につき5,700円で計算されます。

参考までに弁護士基準では、収入から割り出された1日当たりの金額が基準になっています。

更に後遺障害慰謝料は、1級から14級の等級に応じて決められることになります。弁護士基準と比較してみます。

【後遺障害慰謝料】

1級:自賠責基準11,000,000円・弁護士基準28,000,000円

2級:自賠責基準9,580,000円・弁護士基準24,000,000円

3級:自賠責基準8,290,000円・弁護士基準20,000,000円

4級:自賠責基準7,120,000円・弁護士基準17,000,000円

5級:自賠責基準5,990,000円・弁護士基準14,400,000円

6級:自賠責基準4,980,000円・弁護士基準12,200,000円

以下省略

自賠責基準の死亡慰謝料の相場

350万円

弁護士の死亡慰謝料の相場

2000万円~2800万円

このように弁護士基準とは倍以上の差があります。

弁護士基準は、日弁連の交通事故相談センターで定めた基準になり、通称「赤い本」「青い本」などと呼ばれている冊子があります。

それに基づき弁護士は示談交渉を進めていきます。

自賠責保険基準と弁護士基準の間が、任意保険基準と言われています。

ケースバイケースであることと、保険会社によって基準が違っているため、具体的な数字の表示はできません。

加害者の示談交渉の注意点

加害者として、被害者への対応は慎重に接する必要があります。

スムーズな示談を進めるためにも誠意を持って接しましょう。

印象や態度が悪いと、訴訟提起などの可能性も出てきてしまいます。

任意保険には出来る限り加入しておきましょう。

物損事故では自賠責保険が対象外になります。

また、先ほどもお伝えしたように、自賠責保険では最大120万円までしか保証してもらえません。

それ以上であれば、加害者が負担することになってしまいます。

任意保険に加入していたとしても、被害者が弁護士に依頼した場合、保険会社基準ではなく弁護士基準での交渉をされてしまいます。

そのような場合は、加害者側も弁護士への依頼を検討することも必要になるでしょう。

相互に過失がある時は、弁護士費用特約を使える場合もありますが、使用できない際は実費での対応になります。

交通事故における対応

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