- 交通事故の裁判について
- 民事訴訟の弁護士費用相場
- 弁護士費用特約を利用できる?
交通事故にも裁判があります。
示談交渉がまとまらない場合などに、民事裁判を起こすことがあります。
裁判にかかる費用や弁護士の介入についてお伝えしていきます。
交通事故の裁判について

予想だにしない交通事故に巻き込まれた場合、相手(加害者)の保険会社と示談の話し合いをすることになります。
しかし、話し合いがまとまらないと、裁判も検討しなければなりません。
交通事故の裁判で争うのは、被害者に対する損害賠償請求になります。
一般的に、示談に結びつかなかった場合は、相互に納得のいく話し合いを持つ必要があります。
第三者の介入で示談について話し合うには、主に3つの方法があります。
- 示談斡旋
- 民事調停
- 民事裁判
示談斡旋
示談斡旋とは余り聞き慣れないものでしょうが、示談斡旋は日弁連交通事故相談センターが話し合いの場を設けて、被害者と加害者の示談を図る手続きになります。
示談斡旋は手続き費用が無料であるメリットがあります。
民事調停
民事調停は、裁判所を介して話し合いを持つものです。
簡易裁判所が扱う民事調停は、調停委員が間に入り話し合いを進めて行きます。
しかし強制力がないため、話し合いが合意に至らなければ不成立になる可能性があります。
費用は申立て手数料に郵券代など、数千円で済むメリットがあります。
民事調停が成立すれば、執行力のある調停調書が作成されます。
民事裁判
交通事故の民事裁判は、調停などでも示談がまとまらない場合の、最終手段になります。
被害者が原告、加害者が被告として話し合いが進められます。
弁護士に代理人を依頼しても、本人訴訟でもどちらでも構いません。
相手と和解することも可能ですが、合意がなされなくても判決によって解決ができます。
民事訴訟の弁護士費用相場

交通事故の示談について、最終的には民事裁判という手段があることをお話ししました。
次は民事裁判について詳しくお話しします。
先程もお伝えしましたが、民事訴訟は調停と違って、終局的に解決できるメリットがあります。
勿論、通常の裁判と同様に、控訴さらには上告が出来ます。
しかし、裁判は訴状の作成や証拠の提出など、煩雑な上難しいデメリットがあります。
裁判に慣れていない者が、訴訟提起するのは非常に困難になります。
本来なら有利な事件なのに、敗訴してしまう可能性もあるからです。
そこで、多くの人は弁護士に代理人を依頼することになります。
弁護士費用は?
弁護士費用は2004年から旧報酬規程が廃止され、各々自由に決めて良いことになりました。
旧報酬を基に、現在も同じような報酬規定の弁護士も多く見られます。
また、任意保険の付帯として弁護士費用特約を利用できることになり、示談交渉に弁護士を依頼する人が増加しています。
交通事故の場合、弁護士費用は次のような内容になるでしょう。
- 相談料
- 着手金
- 報酬金
- 日当・実費
実費は訴訟額に応じた手数料と、郵券代などがかかります。
裁判所の手数料額早見
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/315004.pdf
参考までに旧規定の弁護士費用は次の通りです。
【相談料】
- 5,000円~25,000円
【着手金】
- 経済的利益の額が300万円以下の場合:8%
- 300万円を超え3000万円以下の場合: 5%+9万円
- 3000万円を超え3億円以下の場合:3%+69万円
- 3億円を超える場合:2%+369万円
※着手金の最低額は10万円
【報酬金】
- 経済的利益の額が300万円以下の場合: 16%
- 300万円を超え3000万円以下の場合:10%+18万円
- 3000万円を超え3億円以下の場合:6%+138万円
- 3億円を超える場合:4%+738万円
最近の相場としては、相談料や着手金が無料の場合が多いようです。
- 相談料:無料
- 着手金:無料
- 報酬金:20万円+経済的利益額の10%
あくまで目安の金額になりますが、これらに日当や実費が加算されることになります。
交通事故の場合、無料相談を実施している弁護士事務所が多くみられますので、その様な事務所を利用して相談するのも良い方法でしょう。
また、日弁連交通事故相談センターが全国にあり、無料で相談にのってくれます。
電話相談も対応しているため、気楽に相談することをお勧めです。
弁護士費用特約を利用できる?

では、実際に裁判となった時に、弁護士費用特約は使用できるのでしょうか。
弁護士費用特約は、任意保険の付帯オプションとして加入することができます。
弁護士費用特約は、主に被害者の立場の時に利用できるものです。
相手(加害者)の保険会社との間で、損害金など示談の話し合いを持つ際、納得のいかない金額を提示されることがあります。
そのような時に、弁護士費用特約を利用し弁護士に依頼すると、大幅な増額が期待できます。
また、慣れない裁判では不利な結果になりがちですが、代理人として弁護士に出廷してもらうと、納得の結果を得ることができる可能性があります。
このように弁護士費用特約を利用すると、弁護士費用を心配せずに依頼できるメリットがあります。
しかし、弁護士費用特約にも上限があります。
弁護士費用特約の上限
弁護士費用特約には上限金額が決まっています。
- 相談料も10万円
- 弁護士費用:300万円まで
殆どの保険会社がこのような金額設定で対応しています。
費用倒れはないだろうか?と心配になるでしょうが、300万円の弁護士費用になるのは、相当大きな事故の場合です。
しかし裁判の場合は、日当や交通費の実費が加算されてしまいます。
旧日弁連の報酬規程では、半日だと3万円以上5万円以下。
1日だと5万円以上10万円以下と決められていました。
現在は各弁護士に金額を委ねられていますが、数回出廷してもらうと、それだけでも結構な金額になってしまいます。
そして見落としがちなのが交通費です。
遠方の弁護士に依頼してしまえば、飛行機代や新幹線代など交通費がプラスされてしまいます。
弁護士を選ぶ場合は、近場で交通事故に強い弁護士を選択することがポイントになります。
弁護士費用特約は必要?
実際に任意保険で弁護士費用特約を付帯したとしても、年間に支払う保険料は2,000円程度アップするだけでしょう。
それにも関わらず、交通事故の際に弁護士費用を気にせず弁護士に依頼できる、大きな安心が手に入ります。
交通事故に関する相談
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