- 競売物件も住宅ローンで支払うことができるって本当?
- 競売物件は一般の人でも購入しやすい?
- 不動産投資初心者が競売物件の購入で資金調達する方法は?
競売物件は、購入する場合に現金一括で支払うことが大原則とされていました。
しかし現在では、競売のプロだけという狭き門が広がり、法律の改正によって、一般の人でも購入しやすくなり注目を集めているため、不動産投資をする方も増えています。
競売物件を購入して不動産投資を始めようと思っても、その資金が無ければどうにもなりませんね。

法改正によって、競売物件でも住宅ローンを組むことが可能です。
そこで今回は、競売物件の住宅ローンを組む方法、資金調達についてお話していきます。
Contents
物件購入とローンについて

マイホームを購入する際には、すべての費用をどのように支払いますか?
マイホーム購入では、全ての費用を一括払いで支払う方はほとんどいないかと思います。
ローンを組まないと購入できないというのは一般的です。それは一般的の不動産物件だけに限らず、競売物件を入手する場合でも同じことが言えます。
一般取引でも競売でも物件を購入する場合には、金融機関のローンを利用して長期間にわたって返済していくことになりますよね。
しかし、競売物件を入手する場合、住宅ローンは使えるのでしょうか。
競売物件の購入について

まず、競売物件の価格についてです。
住宅ローンを組むときには、ローン返済額をできるだけ抑えたいので、安くて良い物件を手に入れたいですよね。
不動産を相場よりも安く購入できる方法で注目されているのが不動産競売による物件の購入。
- 物件の持ち主が住宅ローンを支払えなくなったために、銀行などの債権者が競売申し立てをした物件を指す。
対象:マンション、一戸建て、事務所、店舗、ビル、居住用目的以外の土地など
住宅ローンを支払えなくなったときは、任意売却によって家を処分する方法もありますが、所有者が処分しなかった場合に、債権者によって競売が行われます。
しかし競売はそんなに安くないのでは?という声をよく耳にします。
落札額が引き上げられてからは以前のような格安で入手することは難しくもなっているようです。
法改正で一般の人の競売物件購入が増えた
以前までは不動産競売物件で不動産を購入したいという場合、銀行からその資金を借りることがなかなかできませんでした。
大部分を自分の資金で購入しなければならなかったのです。
【従来の競売】
- 原則として買受人が買受代金を支払う際、現金で一括して支払う
- 横浜地方裁判所の横浜方式のみがローン払い可能
特に高額な不動産の競売に参加できるのは、狭き門であり競売のプロだけだったのです。
一般の人たちも競売へ参加できるように法改正されました。
平成10年12月に民事執行法82条2項が改正。法律改正後は、多くの人が競売に参加できるようになりました。
現金で一括払いが大原則だったのですが、現在は競売ローン制度が導入されています。
競売物件を住宅ローンで購入する場合

競売物件購入でローンを利用する場合の手続きの流れを説明します。
競売物件の落札は最も高い金額を入札した人が購入権を与えられます。
現金で用意しなければなりません。

この段階では落札までその物件の値段も分からず、落札できるかどうかも分からない状況です。
この状況で住宅ローンを組むのは簡単ではないですよね。
落札が決定してから残金入金までの期間が短いので、落札後にローン審査を始めるのでは間に合いません。
前もって銀行に話をして準備をしておく必要があるのです。
住宅ローンを使った競売物件の購入方法
司法書士か弁護士を指定代理人にして購入する方法

買受人が買い受けるまでの流れは従来の競売と同じです。
買受代金の支払い方法が異なり、登記の専門家”司法書士”もしくは”弁護士”を必ず指定代理人として届ける必要があります。
※後の手続きで登記に必要な書類を受領して登記手続きが必要になるためです。
そして同時に金融機関との間でも契約が必要になります。
金融機関との間で2つの契約をする
- 買受代金の融資を受ける契約(その代金をローンで支払う契約)
- その融資の担保として競売で買い受けた物件に抵当権を設定する契約
契約前に、あらかじめ自分の通常取引をしている金融機関に話を通しておきましょう。
金融機関がない場合には、代理依頼した司法書士、弁護士に紹介してもらえるか相談してみましょう。
契約が成立すると融資をしてもらえる

融資を受けた後の流れは以下のようになります。
- 融資を受けた代金を裁判所に納付
- 所有権の移転登記・銀行との抵当権の設定登記
- 登記のために裁判所に必要な申出書類を提出。
(申出は代金納付日の5日前までに行う。) - 司法書士、弁護士(代理人)は受領した登記申請書を登記所に提出、登記手続きを行う。
- 登記終了後、買い受けた物件の名義は買受人に移転。
- 抵当権の設定。
- ローンの設定契約通りに買受人は銀行に対してローンを支払う
(一般の売買契約のローン支払いと同じ)
金融機関により取り扱いは違う

銀行の融資、誰でも応じてもらえるかは微妙だそうです。
融資に前向きな金融機関でも「個人」となると微妙なところ。高い確率で話にならずに終わってしまうのではないでしょうか。
一般的な不動産の購入時と同じように、不動産業者が売買に関わっていないと取引ができないのと同じ扱いになってしまいます。
それでも競売物件の購入をしてみたいという方は、
- 事前に担当者と金融機関で住宅ローンが組めるかどうか。
- 競売物件の取得に協力してくれるかどうか
これら事前準備としてを確認しておくと良いかもしれません。
さらにローンが組める可能性が高い方法もあります。
不動産競売代行を行う業者の利用

仲介業者を入れて購入する方法もあります。
特に競売代行業者と金融機関ですでに取引実績があり、信頼関係がある場合はローンを組める可能性は高くなります。
競売代行を行う不動産業者を探すことから始めましょう。
探し方は簡単です。お近くの不動産会社に競売の取り扱いが可能であるか確認するだけです。
競売取り扱いのある業者を複数探し、どこまでサポートをしてくれるのか、手数料など確認します。
競売物件を不動産投資目的で購入する場合の注意点
購入する前によく考え、注意しなければいけない点がいくつかございます。
入札額の決め方
- いくらで貸し出すか
- 現在および将来の想定家賃を決め、利回りと回収年数を算出
居住用賃貸住宅は、同じ家賃の場合、築年数が古い物件よりも新しい物件の方が人気が高い傾向があります。
古い場合は家賃を下げざるを得ません。
こういったことも頭に入れて、想定家賃は近隣相場を調べ、なるべく低い額に合わせるようにすると良いでしょう。
賃貸不動産の投資利回り
年間の想定家賃を購入額で割って計算していくのですが、
例えば、年間の想定家賃が50万円、購入額が500万円の場合、表面利回りは10%
回収年数は年間の想定家賃収入から経費(固定資産税・火災保険料・管理費・修繕積立金など)を差し引いた実収益をもとに計算。購入額を実収益で割って出した数字が回収年数。
(例)
購入額:500万円年間実収益:50万円
回収年数=10年
不動産会社を通じて購入する中古物件の多くは、表面利回り10%前後。15%に近い物件もあります。
賃貸物件の回収年数は10年が一般的と言えます。

一般物件を上回る利回り15%以上、回収年数10年以内を入札額上限としたいところ。
競売物件には重要自己説明がない

一般的に通常の物件の相場よりも値段が安くなりますが、その分リスクもあります。
- 本来の住宅購入には不可欠である重要事項の説明がなく、物件の調査内容に不備があっても不動産業者は責任を持たない
- 落札した物件に何らかの問題があっても、基本的に落札者が解決しなくてはならない。
- 落札した後に居住者がすぐに退去してくれない場合もある。
まとめ
不動産競売の専門家がサポート会社として介入してくれると、ローン申請はスムーズに進むでしょう。
競売物件の仲介業者は、物件に関する調査を行い、購入者・銀行に報告をしてくれます。
リスクがかなり低い競売物件の購入をすることができるでしょう。

金融機関も仲介会社の信頼性があると融資に協力的です。
競売物件でローンを組みたいという方は、金融機関との信頼関係を築いている仲介会社、入札代行を取り扱う不動産を利用することをおすすめします。