住宅ローン 払えない 原因 世帯 割合

  • 住宅ローンを払えない人が急増
  • 急増した理由は?
  • 払えない世帯の割合

住宅ローンの返済が出来なくなって、破綻している人が急増しています。

 

なぜ払えなくなるのか、理由についてもお伝えしていきます。

住宅ローンを払えない人が急増

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住宅ローンは30年返済、35年返済と、長期に亘って支払っていくのが通常です。

自身の収入や生活スタイルに合わせて、住宅ローンの年数を決定しています。しかし、返済能力を超える住宅ローンを組んでしまっている人がいるのも事実です。

 

住宅ローン返済に当たっては、無理のない慎重な計画を立てる必要があります。金融機関の一般的な規定では、返済期間を「完済時年齢満80歳未満までの範囲で最長35年まで」と定めています。

 

しかし、実際に定年後にも住宅ローンを支払うのは、容易ではないはずです。多くの人は出来るだけ繰り上げ返済して、短期間で完済することを目標にしています。

 

住宅金融支援機構の統計調査では、貸出期間が35年以下は10.7%、30年以下が44%、25年以下は27.1%となっています。この結果を見ても、出来るだけ早く返済したい考えが分かります。

 

ちなみに、2017年8月現在の住宅金融支援機構『フラット35』の金利情報は次のようになっています。

  • 返済期間:15年~20年/年1.040%~年1.610%
  • 返済期間:21年~35年/年1.120%~年1.690%

低金利水準が続いている現在だからこそ、返済を短縮するチャンスでもあります。先ほどの返済期間の話に戻りますが、当初の借入期間の平均が25.7年に対し、実際の平均経過年数が14.4年になります。

 

この数字からも、多くの人が繰り上げ返済していることが分かります。その一方、住宅ローンが返済できなくなった人たちもいます。

 

H24年の総務省統計による、3ヶ月以上の返済遅延の世帯主年代は、40代が一番多く、次いで50代、60代となっています。この結果から、長期の返済で高齢になってから、破綻する傾向が多いことが分かります。

 

急増した理由は?

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では、どのような理由で

 

破綻者が急増してしまったのでしょうか?

日本弁護士連合会の統計調査結果では、住宅ローンを原因として破産した人は、10年間で1.5倍になっています。

 

では、なぜ住宅ローンの返済が出来なくなったのでしょうか?主な原因は次の通りです。

  • 失業(リストラ)
  • 給料や賞与の減少
  • 自己資金がない無理なローン
  • 予期しない病気
  • 子供の教育費の増加
  • 離婚や別居

ここ数年の不景気の煽りで、リストラで失業したり、給料の減少や賞与カットなど、予想もしない状況になったこと。

 

また、頭金0円などというセールストークに乗せられて、自己資金が無いのに無理なローンを組んだ事も大きな原因です。

 

40代・50代になると、子供の大学進学で教育費が一気に増加します。そうなると、住宅ローンの返済も厳しくなるのは当然のことです。

 

住宅ローンを抱えている共働きの夫婦が離婚や別居をすると、収入が半減するのですから、当然に返済が出来なくなります。

 

以上の様に、住宅ローンの契約時には想定できなかった事態に見舞われた途端、あっけなく破綻する事になってしまいます。

 

払えない世帯の割合

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近頃「中年破綻」「老後破綻」「下級老人」といった言葉を耳にします。

 

様々なリスクが発生する年齢なのかもしれません。

住宅ローンの破綻世帯の、正確な統計データは存在していません。住宅金融支援機構で発表している統計資料に、「リスク管理債権」というものがあります。

 

住宅金融支援機構のトラブルに関する統計を参考に、分析してみたいと思います。同機構のH27年度「リスク管理債権」を例にとると、次のようになります。

  • 破綻先債権:783億円
  • 延滞債権:3413億円
  • 3ヶ月以上延滞債権:938億円
  • 貸出条件緩和債権:7308億円
  • 元金残高:243015億円

 

  • 比率:5.12%
  • 条件緩和除比率:2.11%
  • 破綻先比率:0.32%

住宅金融支援機構では、「貸出条件緩和」「3か月以上延滞」「延滞」「破綻」の4つに分類して集計しています。

 

「貸出条件緩和」は、債務者の再建及び支援を図ることを目的として、金利の減免や利息の支払猶予、元金の返済猶予など、債務者に有利となる返済条件の変更を行ったものです。

 

「3か月以上延滞」は、返済期限を3ヶ月以上経過して延滞となっている貸付けの元金残高額になります。

 

「延滞」は資産自己査定の結果、実質破綻先及び破綻懸念先に区分された債務者に対する貸付けの元金残高額です。期間としては6ヶ月が目安になります。

 

最後に「破綻」は、破綻先に区分された債務者に対する貸付けの元金残高額です。

 

H27年度のリスク債権としては5.12%であり、大雑把に見ると、ローン利用者の約20人に1人がトラブルを抱えています。

 

その内、返済条件の変更などで緩和されている人が2.11%。完全に破綻してしまった人の割合は0.32%で、100人に1人もいない計算になります。

 

物件価格の高騰と住宅ローン

国土交通省の「不動産市場動向マンスリーレポート」統計によると、2013年の後半から地価が上昇しています。

 

2020年の東京オリンピックの開催で、更に拍車をかけているようです。それに伴い不動産の売買価格も上昇しています。

 

また、同じく国土交通省の平成28年度住宅経済関連データによると、住宅ローンの年間返済額は、注文住宅・分譲住宅とも100万以上150万未満が一番多く、次いで50万以上100万未満となっています。

 

中古住宅に関してはその逆で、50万以上100万未満が一番多く、100万以上150万未満が次に多くなっています。不動産の売買価格の上昇があれば、比例して年間返済額もアップします。

 

同様にH28年度の実収入の統計では、2人以上の世帯のうち勤労者世帯では月平均額が526,973円でした。

 

年間に換算すると6,323,676円であり、例えば先ほどの住宅ローンの年間返済額に当てはめて、100万以上150万未満だったとします。

 

仮に630万円の年収から150万円の住宅ローンを支払ったとしても、480万円の生活費が確保でき、特段の贅沢や浪費がなければ十分生活していける範囲になります。

 

しかし、破綻理由のところでもあげた、失業(リストラ)、給料や賞与の減少、予期しない病気、離婚や別居など、予想外の出来事があればそれも崩れてしまいます。

 

住宅ローンを組む際にも頭金を用意するなど、しっかり余裕をもって組むことが大切です。それでも返済が不能になった場合に、

 

競売による売却の他に任意売却という方法もあります。市場価格に近い金額で売却できるため、検討してみることをお勧めします。