- 個人事業主の税金
- 確定申告しても脱税は見つかる
- 個人事業主の税務調査
確定申告をしていても脱税はバレます。
調査官はその道のプロですから、脱税は必ず見つかってしまいます。
個人事業主の納める税金や、税務調査についてもお伝えします。
個人事業主の税金

個人事業主が納める税金は4種類あります。
- 所得税
- 消費税
- 住民税
- 個人事業税
所得税・消費税は基本的に国税になり、住民税・個人事業税は地方税になります。
いずれも確定申告することにより、納付書などが個人事業主のところに届く事になります。
所得税は通常、2月中旬~3月中旬の確定申告提出期限日までに納付する事となっています。
次に納める必要があるのは消費税です。消費税は、3月31日までに納付する事になります。
この辺りは、非常に慌ただしいスケジュールになってしまいます。更に、消費税には免税事業者というものがあります。
免税事業者の特権は主に2つあり、1つは開業してから2年間は消費税を免除されます。
もう1つは、前々年の課税売上高が、1,000万円を超えていなければ免税事業者でいられます。
少々分かりにくいですが、次のようになります。
(例)平成27年の課税売上高が1,300万円になったとします。
課税売上高が1,000万円を超えたため、消費税を支払わなければなりません。
しかし、実際に納めるのは2年後の平成29年になり、この場合は次のようになります。
- 平成27年度:免税事業者
- 平成28年度:免税事業者
- 平成29年度:課税事業者
但し、例外があり、特定期間というものが定められており、個人事業者の場合は、前年の1月1日~6月30日が基準になっています。
この期間中で、課税売上高が1,000万を超え、なお且つ、この期間の給与等の支払い金額も1,000万円を超えた場合には課税事業者となり、翌年に消費税を支払うことになります。
先ほどの(例)を参考にもう一度整理すると、実際には平成28年度は、免税事業者となっています。
しかし、前年度の平成27年の1月1日~6月30日の間に、課税売上高と給与等の支払い金額がどちらも1,000万円を超えたため、翌年の平成28年度に消費税を支払う事になります。
しかし、個人事業主は従業員を雇っていないことが多く、そうなると課税売上高が1,000万円を超えたとしても、従業員がいなければ給与等の支払いは当然に0円になるため、免税事業者となります。
【所得税の計算式】
収入 − 必要経費 − 各種控除=課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 課税控除額=所得税額
【消費税の基本的な計算式】
課税売上高の8%− 課税仕入等の8% = 消費税の納付税額
住民税と個人事業税
住民税は納税者の所得に応じて決定されます。
【住民税の所得割計算式】
(所得金額 − 所得控除額)× 10% − 税額控除額=所得割の税額
個人事業税は一番最後に届く税金で、だいたい8月頃になります。
【個人事業税の計算式】
(収入 − 必要経費 − 各種控除 − 事業主控除290万円)×税率=個人事業税
個人事業税には、事業主控除というものがあり、290万円が一律控除されることになります。
よって、収入から経費など諸々を差し引いた金額が290万円以下であれば、個人事業税は支払う必要がなくなります。
確定申告しても脱税は見つかる

個人事業主が支払う税金についてお伝えしてきました。
では確定申告をして税金も支払っているのに、脱税は見つかるのでしょうか?
脱税は故意に税金を逃れる行為であり、厳しい罰則があります。
単純な会計処理のミスではなく、明らかに隠ぺいや偽造行為は脱税に当たります。
脱税が見つかるのは、主に次のような場合です。
- 税務調査により発覚する
- 資産状況から見つかる
- 密告を受ける
税務調査により発覚する
税務調査とは、税務署の調査部門が数年に1度(不定期)、個人事業主の事務所を訪れ、伝票や書類、帳簿などを調査し、申告内容と相異がないか確認します。
だいたい過去5年程遡って調査することが一般的です。通常は2~3日かけて全ての内容をチェックすることになります。
この税務調査は、急激な利益を計上していたり、何かしら気になる点がある個人事業主が選ばれる事が多いでしょう。
資産状況から見つかる
税務署は確定申告により、個人事業主がどれ位収入があるのか把握しています。
よって、分相応な高級外車を所持していたり、大豪邸に住んでいるのは不自然です。
そのような、資産状況から発覚することもあります。
密告を受ける
密告は実際にあります。
国税庁のサイトにも情報提供のページが存在します。
https://www.nta.go.jp/suggestion/johoteikyo/input_form.html
「課税・徴収漏れに関する情報の提供」として、次のような内容を入力します。
- 対象者の氏名・名称(屋号・法人名)
- 対象者 住所・所在地
- 対象者の所轄税務署
- 本文
本文は、時期・期間、場所、人物(会社)、金額、手段、方法、持っている文書等のほか、
例えば関連する金融機関名や支店名、口座番号などを、具体的に記入するよう指示があります。
このようにインターネットの普及から、誰でも簡単にパソコンやスマホから密告ができるようになりました。
個人事業主の税務調査
「確定申告しても脱税は見つかる」のところでもお伝えしたように、税務調査というものがあります。これは、個人事業主に限ったものではありません。
税務調査には任意調査と強制調査があります。
テレビドラマなどで、ある日突然やってくるのは強制調査の方で、国税局査察部(通称:マルサ)が担当しています。
個人事業主の場合は、大抵が任意調査の方であり、事前連絡の上税務署の調査部門が担当します。
基本的に、資本金1億円以上の法人に関しては、国税局調査部が担当することになります。
いわば調査官は脱税などを見つけるプロですから、見つけ出すポイントを押さえています。
大抵の脱税は発見されると思ってよいでしょう。
直近の発表では、総務省統計局の平成27年11月公表の「平成26年経済センサス」によると、個人事業主は208万人となっています。
国税庁の発表によると、平成27年度の個人事業主に対する税務調査は、簡易な調査も含めて合計8万8千件となっています。
1年を通して、それほど多くの個人事業主を回れないことが分かります。
しかし、いつ順番が回ってくるか予測が付かないのが税務調査です。
予想もしなかった追徴税額を支払わないためにも、日頃から正確な会計処理を心掛けることが大切です。
個人事業主の脱税&税務調査
>>個人事業主が脱税する方法&手口とは?所得隠しは個人からの密告でバレる?
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>>【個人事業主・脱税方法】所得隠しの方法まとめ&バレた際の罰則とは?
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