- 個人事業主の所得隠し
- 脱税の罰則
- 節税の方法
本来は支払うべき税金ですから、脱税ではなく節税でお金を残すべきでしょう。
よく実行されている所得隠しの方法や、見付かった際の罰則もあわせてお伝えしていきます。
Contents
個人事業主の所得隠し

間違った方法で脱税をしてしまうと、
ペナルティを課せられるだけではなく、
場合によっては刑罰に科せられます。
よくある所得隠しは次の通りです。
- 売上を起票しない
- 経費を増やす
俗にいう売上げを抜くという方法は、事業用の口座ではなく、個人口座など別口座へ振り込んでもらったり、現金で受け取り売上しない方法です。
また、経費を増やす行為を水増しなどとも言いますが、例えば実際には使用していないアルバイトを使ったように人件費を増やす行為。
白紙の領収書をもらったり、書き換える方法。粉飾決済に使われるのが架空の仕入れをして、在庫を誤魔化す方法もあります。
在庫が増加することは利益の増加になりますから、税金を減らすには、実際よりも在庫数を減らしてしまいます。
しかし、このような方法は、税務官は百も承知ですから、簡単に脱税がバレてしまうでしょう。
脱税の罰則

実は税務署の組織編制は、
法人課税部門と個人課税部門にわかれているのをご存知でしょうか?
そもそも、個人事業主と法人では、扱う税金項目が違ってきます。個人事業主は所得税となり、法人は法人税になるからです。
個人事業主にも、数年に1度の割合で税務調査が来る事になります。しかし、事前の連絡があるため慌てる必要性はありません。
2~3日の間に、数年を遡って請求書や領収書、帳簿類を調査することになります。
任意調査に関しては、全ての個人事業主を回ることが出来ないため、業績が急激に伸びているなど、変化や気になる点がある場合に、主にターゲットとされています。
個人事業主の場合は、業績が伸びているにも関わらず、現金や預金が極端に少ない。また、確定申告した内容との相異などをポイントに確認していきます。
脱税が発覚すると!
個人口座に現金を移すなど所得隠しをしたり、故意に売り上げを抜くなどしても、調査官はその道のプロですから、簡単に見抜かれてしまいます。
脱税がバレると、どのような罰則があるのでしょうか?所得税法238条1項により、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその併科となっています。
更にペナルティとして加算税があります。
- 過少申告加算税:追加納税額の10%・期限内に確定申告した額か50万円の多い方を超える部分は15%
- 無申告加算税:50万円までは15%・50万円を超える部分20%
- 不納付加算税:納付税額の10%・指摘以前は5%に軽減の場合有
- 重加算税:過少申告加算税・不納付加算税に代えて35%・無申告加算税に代えて40%
更に延滞税もプラスされることになります。結局、不正をすれば本来支払うはずだった税金より、遥かに高い金額を支払うことになってしまいます。
節税の方法

脱税することはリスクを伴い、逆に加算税を付加され、
メリットがないことをお伝えしました。
そこで、脱税ではなく節税することを是非ともお勧めします。
次にあげるものは、個人事業主にとって有利となる節税方法です。
- 年払いの実施
- 小規模企業共済制度を利用
- 所得の分散
- 経費の見直し
年払いの実施
例えば家賃や車のリース料、プロバイダー代などを、年度末に翌年分を一括支払いする方法です。
毎年継続して一括払いする必要はありますが、一気に経費を減らすことが出来ます。
小規模企業共済等掛金控除等を利用
個人事業主の場合、加入義務のある社会保険の他に、任意加入の個人年金や小規模企業共済を利用することで、所得控除や経費として計上が可能です。
個人型確定拠出年金や経営セーフティ共済などもよく利用されています。
所得の分散
家族も事業に協力している場合には、所得を分散する節税方法があります。
一般的なのは、事業主の手伝いで妻が経理を担当している場合は、妻の給料を正式に計上します。
そうすることで大分税額が変わるでしょう。
経費の見直し
意外に経費として計上されていないものがあります。
事業と個人の按分にはなりますが、光熱費やガソリン代、車の車検代、電話料金、ネットのプロバイダー代などは、算入されていない場合が多く見られます。
もう一度経費を見直すことで、漏れが見つかることがあります。
白色申告と青色申告
その他には、個人事業主でも白色申告ではなく青色申告の方が節税になります。経理をした事のある人はご存知でしょうが、青色申告特別控除というものがあります。
これは記帳の方法になりますが、複式簿記で記帳していれば65万円、簡易簿記だと10万円が控除されます。正式な経理処理をするのは煩雑ではありますが、55万円の差は大きいと言えます。
また、例えば事業用のデスクやソファー、エアコン、パソコンなど、必要な備品を購入することがあります。しかし白色申告では、1年間に10万円までしか経費として落とすことが出来ません。
ところが、青色申告であれば上限30万円までを、合計300万円まで1年間に経費とすることが出来ます。このように、青色申告することによって、かなりのメリットを得る事が出来ます。
更に、年間所得がある程度見込まれている場合は、個人事業を法人化することも検討してみましょう。法人であれば、生命保険や退職金を使った節税が出来るほか、役員報酬や旅費日当なども算出できます。
給料も専従者給与として経費にでき、法人化するメリットは大きいと言えます。一般的に、年間売り上げが700万円以上を目安とすることが多いようです。
しかし法人化すれば、経理面の充実が求められ、厳格な財務諸表を作成しなければなりませんから、税理士などと顧問契約する必要性が出てきます。
税理士に支払う年間顧問料も、考慮の上検討することが大切です。しかし、法人となれば社会的信用度も増すため、結果売上に結び付く可能性が出てくる事は確かです。
個人事業主の、よく見られる脱税方法についてお伝えしてきました。しかし、脱税による罰則のリスクを背負うよりも、節税で利益を増やす方が安全な方法である事は言うまでもありません。
個人事業主の脱税や税務調査について
>>個人事業主が脱税する方法&手口とは?所得隠しは個人からの密告でバレる?
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