- 追徴課税ってなに?追徴課税の4パターンとは?
- 追徴課税は個人で1000万円の所得隠しだといくら
- 支払期限はある?いつまでに支払えばいい?
様々な理由や事情から、追徴課税の通知が来てしまうとドキッとしてしまいますよね。
しかし、この”追徴課税“について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。
一方で、きちんと理解しておかなければ最悪の場合、強制執行を受けることにもなりかねません。
そこで今回は、そんな追徴課税の仕組みや計算方法、さらには支払期限におけるルールなどをお教えしたいと思います。
追徴課税ってなに?追徴課税の4パターンとは?
“追徴課税”とは、あまり聞きなれない言葉ですよね。

まずは、その意味や仕組みをみていきましょう。
追徴課税とは、毎年税務署に申告した所得税や法人税が実際よりも少なかったことが発覚した場合に加算される税金のことです。
この時、本来収めるべき税金の他に、罰金のような意味合いを持つ附帯税の納付が必要になります。
以前、ある大企業が4年間で追徴税額が約11億円に上ったと話題になりましたね。
このように、あってはいけない事ではありますが個人法人に関わらず度々起こる事でもあるのです。
また、追徴課税は本来納めるべき税金がなぜ実際よりも少なかったか、その理由毎に4つのパターンにわけて考えられます。
4つのパターン

その、4つのパターンは以下の通りです。
- 無申告加算税
- 過少申告加算税
- 不納付加算税
- 重加算税
無申告加算税
“無申告加算税”は、期限内に申告を行わず期限後に申告書を提出した場合に加算される税金のことです。
いわゆる、“うっかりしてしまった”というのに多いのがこのパターンですね。
- 税額の15%が基本
- 50万円以上の部分については20%
- 税務調査の前に自主的に申告した場合5%
また、以下の場合は無申告加算税は課されません。
- 法定納期限から1か月以内に申告書を提出している
- 税額を法定納期限までに納付している
さらに、法人税の申告は『事業終了日の翌日から2ヶ月以内』という決まりがあるので、申告遅れのないようにしましょう。
過少申告加算税
”過少申告加算税“とは、納めるべき税金が少なかった場合に期限内に修正申告をした際に、税務署から新たな税金とは別に加算される税金のことをいいます。
こちらも、納める意思はあるものの申告忘れの部分があったなどといったケースですね。
- 新たに納めることになった税金の10%
- 50万円以上の部分については超えた額の15%

上記が、過少申告加算税の主な計算方法です。
また、税務調査前の自主申告が認められた場合、加算されないケースもあるので間違いに気づいたら早めの修正申告をすることが大切です。
不納付加算税
事業者は従業員を雇った際、“源泉徴収税”として従業員の給与から天引し、事業者が代わりに一括して支払いを行わなければいけません。
その際、源泉徴収税の支払いは所得を支払った翌月の10日までの納付が定められていますが、この納付が遅れた場合に不納付加算税が課される事となるのです。
- 納付額の10%
- 税務署の指摘前に気付いた場合5%に軽減
会社によっては毎月ではなく、1月と7月の計2回の納付としているところもありますが、その場合納付もれが多く注意が必要です。
重加算税
“重加算税”は、申告が悪質だと判断された場合に加算される税金のことです。
- 二重帳簿
- 帳簿、原始記録、証ひょう書類の破棄又は隠匿
- 帳簿書類の改ざん、帳簿書類への虚偽記載
- 売上計上漏れ、棚卸資産の除外
このように、少しでも税金逃れをしたいと思いワザと申告内容に虚偽を行う場合は、容赦無く思いペナルティとなります。
つまり、重加算税はその名の通り4つの中で最も思い税率が課せられます。
- 過少申告加算税・不納付加算税に代えて35%
- 無申告加算税に代えて40%
このように、悪質と判断された場合のペナルティは大きいと言えます。
延滞税もプラスされる
さらに、追徴課税だけではなく延滞税も忘れてはいけません。
- 納期限から2ヶ月までは年率7.3%
- 納期限から2ヶ月以降は14.6%
つまり、追加納付額に追徴課税と延滞税をプラスした金額ということになるのです。
追徴課税は個人で1000万円の所得隠しだといくら?

では、追徴課税の具体的な金額を計算して見ましょう。
今回は、個人で1000万円の所得を隠していた場合を例にして見ましょう。
”所得隠し“ということは、上記の“重加算税”が適用となるでしょう。
- 本税:10%
1000万×10%=100万 - 重加算税:35%
100万×35%=35万
また、所得税は超過累進なので所得隠しを行う前の所得の金額により異なります。
さらに、延滞税が延滞期間に応じて掛ってくる事も考えておきましょう。
重加算税ではなく過少申告加算税では?
では所得隠しではなく、さほど悪質ではない過少申告加算税などの場合ではどうなるでしょうか。
- 本税:10%
1000万×10%=100万 - 過少申告加算税:15%(50万円未満は10%、50万円以上は15%)
100万×15%=15万
このように考えると、重加算税と過少申告加算税では約倍近い違いがあることがわかりますね。
支払期限はある?いつまでに支払えばいい?

では、追徴課税の支払期限をみていきましょう。
まず、追徴課税が期限までに支払えないとどうなるのでしょうか。
- 督促状が届く
- 電話・訪問での催促差し押さえ調査
- 差し押さえ通知
- 差し押さえ・強制執行
このように、支払いをしないと最終的には差し押さえとなります。
また、地方税法第329条において、督促状は納期限から20日を目途に発行されるとされています。
つまり、通知から20日以内に支払うか何かしらの申告をすることが必要ということになります。
差し押さえはいつ?
また、差し押さえは納税相談もなく納付もない場合、督促状を発した日から起算して10日を経過した日から可能とされています。
- 不動産や銀行等の預貯金
- 給料
- 生命保険
- 家賃収入
- 駐車場収入
- 売掛金等
これらの各種債権等が対象となりますので注意しましょう。
納付が困難なときは?
一方で、何らかの事情で納付が困難の人もいると思います。
- 病気や失業
- 災害
- 事業の廃止
このようなやむを得ない事情から、納付が困難な場合もあるでしょう。
また、多重債務などにより納期内の納付が困難な場合は、そのまま放置してしまう人も多いと言われています。
しかし、そのまま放置したりせずに早めに納税相談を行うことが大切です。
どこに相談する?
では、そんな相談はどこに行えば良いでしょうか。
基本的に具体的なプランがある場合には、最寄りの税務課なとに行き納税相談を行います。
しかし、先行きが決まっていなかったり知識がなく周りに相談できない場合は、税理士などに相談すると良いでしょう。
なぜなら、この税理士法に定められている業務範囲の中に税務代理があります。
税務に関することを代わって代行すること。
この中には申告だけでなく、税務調査があった時の立会いも含まれる

だからこそ、心強い味方となってくれるでしょう。
つまり、正しい納税はもちろん万が一、追徴課税の対象となったとして放置せず正しい真摯な対応を心がけることが大切なのです。
さいごに
いかがでしたか。今回は追徴課税についての仕組みや、支払方法などをご紹介しっました。
納税は、全ての人において義務となっているのできちんと正しい額を納付することが大切です。
一方で、うっかりしてしまい追徴課税となった時はそのままにせず、最寄りの納税課や税理士などに相談し正しい対応をするようにすることが大切です。
そうすることで、最悪の場合である差し押さえなどを未然に防ぐことができるのです。