- 個人事業主の税務調査
- 税務調査の詳細
- 税務署は個人口座を調査?
個人事業主にも脱税があります。どのような経緯でバレてしまうのでしょうか?
また、税務署に個人口座を調査されることもあるのか詳しく解説していきます。
Contents
個人事業主の税務調査

事業の形態を大きく分けて、法人と個人事業主になり、
法人の方が脱税をするイメージがありますが、
個人事業主にも税務調査は及んでいます。
個人事業主の税務調査は、やはり一般的に売上の多い事業主が対象になります。
年間の売上が1,000万円を超えていたり、従業員の雇用があると狙われやすいと言われています。特に調査の対象になりやすい業種があります。
国税庁が発表した「平成27年度の事業所得を有する者の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」によると、つぎのようになっています。
- キャバレー
- 風俗業
- 畜産農業(肉用牛)
- ダンプ運送
- 特定貨物自動車運送
- 解体工事
- 型枠工事
- バー
- 鉄骨鉄筋工事
- タイル工事
1位・2位は前年と変わらずキャバレーと風俗業でした。
従業員もアルバイトが多いため水増ししやすく、来店者も個人の客につき売上げを誤魔化しやすい点が挙げられます。
同じく運送業や建築関連も、雇用の実態が掴みずらく、また復興事業で需要が伸びていることが影響しています。
また、税務署はインターネット取引をしている者への調査も実施しています。
例えばネットショッピングやネットトレード、ネット広告やネットオークションもその1つです。
税務調査の詳細

税務調査は大きく分けると、強制調査と任意調査があります。
特段の悪質なことがなければ、個人事業主の場合は任意調査になることが多いでしょう。
任意調査の場合は、指導目的が大きくなります。任意調査は事前に税務署から連絡がくるため、比較的心構えができます。
先ほどお伝えしたような申告漏れが多い業種や、売上や利益が急激に伸びている個人事業主を対象とすることが多いようです。
また、税理士が関与していない事業所にも入りやすい傾向があります。
税務調査の多い時期
一般的に多いのが8月~11月です。当然に例外もありますが、税務署の人事異動は7月で、その後くらいからになるでしょう。
しかし、12月からは年末調整や確定申告と、税務署も多忙になります。確定申告が落ち着いた4月・5月もあり得ます。
税務調査の日数
税務調査の日数で最も多いのが2~3日です。しかし、簡易的な調査で半日程度の場合もあれば、数ヶ月続くこともあります。
あくまでケースバイケースです。税務署からの連絡の際には、目安の日程を伝えられます。
どんな書類を調査するのか
- 現金・預金出納帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 請求書
- 領収書
- 契約書
- 給与に関する台帳
- 通帳
その他の年末調整や決算書類などは、税理士と顧問契約していれば、お願いする方がよいでしょう。
データがパソコン内に保存してあれば、事前にプリントアウトしておくと、スムーズに進みます。
場合によっては、連絡の電話で用意する書類を伝えられる事もあります。また、調査官は調査の際にコピーをとったりもします。
何年分の書類を調査するのか
通常は3年程遡って書類の調査をします。しかし、気になる点があれば5~7年遡ることもあり得ます。
過去の事を質問されて分からない場合は、「調べて回答します」ということで、即答する必要はありません。
顧問税理士がいれば、相談してから回答しても良いでしょう。
調査の間は何をしていたら良いか
1日中ついている必要はありません。事業主や雇用者は、通常通りの業務をすることになります。
また、用意が可能なら、税務署の調査官は応接室や会議室のような場所で調査をしてもらうと良いでしょう。
お茶くらいは出しても、特段茶菓子やお昼の準備をする必要はありません。
大抵の調査官は、朝時間キッカリに来て、お昼は必ず外出します。
また午後の時間キッカリに来て、作業を開始するといった時間に厳格な行動をします。
質問されたりするのか
調査官は大体のスケジュールを決めています。半日は聞き取り調査が中心になります。
初めは雑談を交えながら和やかに開始し、その後事業の話を質問されます。
ここから、メモを取ることになります。
税務調査後の連絡
数日間の税務調査が終わると、調査官は税務署に戻ってから調査結果をまとめて、再度連絡が来ることになります。
税理士と顧問契約している場合は、税理士を通して連絡が来ることもあるでしょう。
事務処理の指摘や修正がある場合もあります。
一般的には追加の税金が発生することが多く、加算税も付加されるため、負担が大きくなってしまうでしょう。
税務署は個人口座を調査?

税務署では、反面調査というものをしています。
反面調査は税務署に認められている権利になります。
反面調査とは、税務署が税務調査に入る法人や個人事業主の取引先や取引銀行に照会をすることです。
反面調査は、直接取引先などから聞き取りする場合と、文書で照会する場合があります。
先ほどもお伝えしたように、金融機関への照会も出来るため、個人事業主は個人口座の調査もされる事になります。
それは、事業の売上げなどが、個人事業主の口座に流れていないかを確認するためです。
この反面調査は、国税通則法で定められています。
(当該職員の所得税等に関する調査に係る質問検査権)第74条の2
国税庁、国税局若しくは税務署(以下「国税庁等」という。)又は税関の当該職員(税関の当該職員にあっては、消費税に関する調査を行う場合に限る。)は、所得税、法人税、地方法人税又は消費税に関する調査について必要があるときは、次の各号に掲げる調査の区分に応じ、当該各号に定める者に質問し、その者の事業に関する帳簿書類その他の物件(税関の当該職員が行う調査にあっては、課税貨物(消費税法第2条第1項第11号(定義)に規定する課税貨物をいう。第4号イにおいて同じ。)又はその帳簿書類その他の物件とする。)を検査し、又は当該物件(その写しを含む。次条から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)において同じ。)の提示若しくは提出を求めることができる。
引用:国税通則法
簡単に説明すると、税務署の反面調査には、いわば強制協力が求められています。
従わない場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
また、税務署は「KSKシステム(国税総合管理システム)」を使い、申告書の内容から所得や税額、資産の内容などのデータを収集することが出来ます。
脱税に関するよくある質問やリスク
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