- サラリーマンの副業
- 青色申告の特徴とメリット
- 赤字の確定申告は会社にバレる?
サラリーマンの副業が増えています。
お小遣い稼ぎ的なものから、本格的なものまで様々です。
それらの収入は、確定申告しないとバレてしまうのでしょうか?
詳しくお伝えしていきます。
サラリーマンの副業

サラリーマンでも隙間時間を利用して、アフリエイトやクラウドワークス、オークションなど、副業をしている人がいます。
転職サイトDODAの調査では、副業を経験したことがあるサラリーマンは、調査した全体の17.1%でした。
意外に少ない数字です。
その背景には企業の就業規則があり、副業を禁じているからです。
しかし、現在政府は副業の後押しをしており、平成28年3月30日に厚生労働省の「モデル就業規則」において、副業・兼業禁止規定を「原則容認」としています。
政府は日本の経済全体が、より活性化することを期待しているのでしょう。
安倍総理は副業の容認について2つの理由を示しました。
- 少子高齢化による労働力不足を補う
- 職業能力の向上で成長産業への雇用流動化を促す
多くの企業が就業規則を定める際には、「モデル就業規則」を参考に作成していることから、従前の「原則禁止」が一般化していました。
政府としては、今後の日本のフリーランスの拡大を期待しています。
そもそも、企業が社員のプライベートな時間まで規制することに、難色を唱える人も少なくないでしょう。
既にロート製薬では、「社外チャレンジワーク制度」を制定しています。
ロート製薬の吉野社長は、個人の持つ可能性を活かすとともに、副業先から成果やアイデアを持って帰ることで、企業に還元し、新しいビジネスや制度改革の可能性につながると語っています。
その他にも日産、富士通、花王などは以前から副業を認めています。
【副業するメリット】
- スキルアップ
- 会社への依存がなくなる
- 視野が広がる
- 人脈が広がる
- 職を失った場合のリスク回避
副業は、会社以外の別世界を体験することで、個人のスキルアップに繋がります。
当然に視野や人脈も広がります。
会社への依存もなくなり、もし倒産やリストラの事態があっても回避できます。
会社にとっても、副業の経験を本業に活かしてもらえ、優秀な人材の確保が可能になります。
青色申告の特徴とメリット

確定申告をする場合に、青色申告と白色申告があります。
副業をして収入があれば、個人事業主でなくても確定申告をする必要があります。
但し、サラリーマンの場合は、20万円以下であれば確定申告は不要です。
例えば、20万円を超えていた場合に、個人事業主となるか考えることになります。
- 副業 → 雑所得
- 個人事業主 → 事業所得
雑所得と事業所得とでは、税務上の扱いが違ってきます。
よって節税できるのは、当然に事業所得の方になります。
最も有利なのは、個人事業主として青色申告する方法です。
しかし、青色申告するには、税務署に「開業届」「青色申告承認申請書」の提出が必要になります。
「青色申告承認申請書」には期限があり、原則その年の3月15日までとなっています。
新規開業の場合は、業務を開始してから2ヶ月です。
青色申告の帳簿
青色申告は、複式簿記で帳簿を作成する必要があります。
以前は白色申告に限り、簡易的な内容で申告ができましたが、改正があり白色申告でも、記帳制度と記録保存制度が設けられました。
しかし、青色申告の方が節税できるため、是非とも青色申告で申告することをお勧めします。
青色申告の帳簿は、会計ソフトを使用すれば簡単に作成することができます。
【青色申告のメリット】
- 65万円の控除がある
- 3年間は赤字を繰り越せる
- 家族の給料が経費計上できる
- 30万円未満の部品を経費にできる(上限:年間合計300万円)
- 5.5%の貸し倒れ引当金計上が可能
このように多くのメリットがあり、青色申告は節税に適しています。
赤字の確定申告は会社にバレる?

副業を始めても、結果的に赤字にしかならない場合があります。
そのような場合には、青色申告なら損益通算ができます。
副業に限らず、事業を始めたばかりの時は、初期投資で何かと経費がかかります。
また、事業が軌道に乗るまでは、安定した収入も難しいでしょう。
その結果、赤字決算になった場合はどうしたら良いのでしょうか?
先ほどもお伝えしたように、青色申告なら3年間は赤字を繰り越すことができます。
(例)
1年目:▲50万円(赤字)
2年目:▲50万円(赤字)
3年目:▲50万円(赤字)
4年目:200万円(所得50万円)
このように繰り越しして、黒字が出た年に相殺することが可能です。
この場合、1年目~3年目の所得は0ということになります。
赤字申告の危険性
赤字申告をすると損益通算され、住民税の金額が変わり、還付金を受け取ることができます。
どういったことかというと、サラリーマンは既に会社で年末調整を受けています。
副業では▲50万円の赤字になった場合、所得税の計算をもう一度やり直すことになります。
給与所得の金額から50万円を差し引いて、源泉徴収されていた所得税の還付がなされます。
しかし、副業が会社にバレてしまう可能性があります。
先ほど少し触れましたが、赤字申告は住民税の金額が変わってしまいます。
通常サラリーマンの住民税は、特別徴収といって給料から天引きされています。
勘の良い方ならもうお分かりですね。
地方自治体(市区町村)から、企業に連絡が行ってしまい、副業を知られてしまいます。
そうなれば、会社の規定を破っている訳ですから、懲戒処分を受けるなど最悪の事態になり兼ねません。
1つ回避する可能性があるとすれば、住民税の支払い方法を普通徴収にすることです。
普通徴収とは本人が直接納付する方法になります。
確定申告の際に、「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」を「自分で納付」とすることで、副業の住民税は普通徴収となります。
しかし、地方自治体によっては普通徴収にならない場合もあるため、担当窓口に確認が必要です。
また、マイナンバーから会社に副業がバレることもありません。
マイナンバーの利用は、あくまで行政機関が法律や条例で定められた場合に限られているからです。
但し、今後は副業収入を確定申告していなかった人が、マイナンバーによって確定申告をする必要が出てきます。
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